第四百六十七話 空は魔王に反撃してみる②
「大丈夫だよ、シャーリィ。それより、今のうちにアルハザードさんを倒す作戦を話す。だから、しっかりと聞いて欲しいんだ」
と、空はシャーリィへと作戦を話していく。
きっと、これならばアルハザードのジョブを何とか出来るに違いない。
(もっとも、作戦とは呼べないほぼ力押しなんだけど……)
まぁ成功さえすれば、それでも構わない。
と、空がそんなことを考えたその時。
「おいおいおい……急な横やりはシラケるぞ」
そんなことを言いながら、再び現れるアルハザード。
さきほど、側頭部に中々の一撃を貰ったように見えたが。
(まるでノーダメージか……まさか自分でダメージを回復したのか?)
さすがは英雄としてこの世界に君臨したアルハザード。
長年の冒険の中で、様々な技能を集めたに違いない。
なんにせよ、倒すなら早急にだ。
空の体力の件もあるが、これ以上新たな技能を出せれてはたまらない。
初見の技能ほど、恐ろしいものはないのだから。
「おい、クウ。まさかこのまま続ける気か? この俺との勝負に、そいつはいらないだろ」
と、シャーリィを指さしてくるアルハザード。
どうやら彼女は一対一で、空と戦いたいに違いない。
(あくまで僕との勝負を楽しみたいだけ、か)
残念だが、その希望を叶えることは出来ない。
空はエクセリオンを守り、アルハザードを救うために戦っている。
(例え二対一だろうがなんだろうが、僕は確実に勝たせてもらう)
空はそんなことを考えながら、シャーリィへと合図を送るのだった。




