第四百六十六話 空は魔王に反撃してみる
「シャーリィ、今だ!」
「あ?」
と、空の言葉に対し、首を傾げるアルハザード。
その瞬間――。
アルハザードの側頭部に、シャーリィの蹴りが直撃。
彼女は中々の勢いで、吹っ飛んでいく。
「クー! クー、大丈夫か!? クー!」
と、言ってくるのはシャーリィだ。
空はそんな彼女へと言う。
「うん……シャーリィが来てくれなかったら、正直危なかったけどね。それにしても、どうしてここに? 胡桃は?」
「兵士が来たんだ! リーシャから伝言だって! クーが一人で戦ってるって! 胡桃は残って戦ってる! 二人そろってここから離れるのは、危険だって言ってた!」
なるほど、さすがは胡桃。
色々能力の応用が効く胡桃が残り、シャーリィを空のもとに行かせる。
実に言い判断だ。
それにリーシャにも、さすがと言わざるをえない。
なんせ、彼女が兵士に伝言を出さなければ、空は負けていた可能性が高い。
「く、クー! 大変だ! 肩が……クーの肩から血が出てる!」
と、あわあわしているシャーリィ。
空はそんなシャーリィを落ち着けるため、彼女へと言う。
「大丈夫、これくらいなら後でリーシャに治してもらえる。それに右腕は普通に動くから、まだ戦える」
「で、でも……」
「大丈夫だよ、シャーリィ。それより、今のうちにアルハザードさんを倒す作戦を話す。だから、しっかりと聞いて欲しいんだ」
と、空はシャーリィへと秘策を話し始めるのだった。




