第四百五十七話 空と襲来②
「俺の興味はあんな小娘にはない。わざざわ殺したりはしないさ」
と、聞こえてくるのは女性の声。
空がそちらに視線を向けると、見えて来たのは――。
ミディアムロングの黒髪に、猛獣のような黄金の瞳。
ゆったりとした黒のフード付きジャケットの様な服に、それと同色のズボン。
そんな彼女は、相変わらず武器の類を持っていない
「アルハザード……さん」
「あぁ、俺がアルハザードだ。強くなったな、小僧」
と、言ってくるアルハザード。
彼女は空へと近づいて来ると、続けて言ってくる。
「最初、俺に助けられた時は随分と弱々しい存在だった。それが今じゃどうだ? ややインチキをしたとはいえ、ヒュドラを一撃を倒し、俺の攻撃にも耐える防御力……この俺の相手として、申し分ない」
「あなたみたいになりたくて、頑張りましたからね」
「ほう、俺みたいに? この俺の世界を壊せる力に、お前も興味を持ったか」
と、アルハザードは楽しそうに笑顔を見せる。
その瞬間、空の頭の中は真っ赤になる。
故に空はアルハザードへと言うのだった。
「違う! そうじゃない! 僕が憧れたのは、英雄としてのあなただ!」




