第四百五十話 空と予想外の魔物②
「それは――」
と、そんなリーシャの声を遮るのは雷鳴。
見れば、エクセリオン中央付近に、巨大な雷が何度も落ちている。
雷の色が黒いこと。
そして、発生の不自然さ。
どうみても自然現象には見えない。
(でもなんで……魔物は絶対に通してないはず)
と、空は考えるが、すぐにそれを振り払う。
なぜならば。
「リーシャ、とにかく行こう! リーシャが嫌な感じがするって言った直後に、エクセリオンの中央であれだ……なんでもないわけがない」
「ま、まってくださいクウ様! あ、あれを――」
と、リーシャが指さすのは雷がもっとも集中して落ちている場所。
そこには妙な部分があった。
「なんだ、あれ。大きな何かの……影?」
最初は薄っすらとした印象だったそれ。
しかし、それは次第に黒い雷を巻き付けるように、像を濃くしていく。
やがて現れたのは――。
「なんだ……あの、大きな魔物……城よりも大きい?」
「八つ首の大蛇……まさかあれは」
と、驚いた様子のリーシャ。
空はそんな彼女へと言うのだった。
「あの魔物に心当たりがあるの?」




