第四百四十八話 空はどんどん倒してみる④
「聖天魔法 《ジャッジメント》!」
直後、魔物の上空から降り注いだのは大量の雷。
それらは瞬時に広がり、次々に魔物達を射抜いていく。
(飛んでいる魔物だから、自分達よりさらに上から攻撃されるとは、考えてはいないはず……と思って、この魔法を選んでみたけど)
結果は狙い通り。
空が魔法を放って数秒後――現在。
「す、すごい……これが勇者様の魔法か」
「あの大量の魔物を一撃。瞬く間に倒すなんて」
「勝てる……勇者様とリーシャ様の力があれば、魔物なんかに決して後れを取らない!」
と、聞こえてくる兵士の声。
空が戦うことにより、魔物を効率的に倒せるだけではない。
それによって、兵士の士気もあがるならば、まさに一石二鳥だ。
(それだけじゃない。兵士達のこういう声を聞いていると、なんだか僕までやる気が出てくると言うか……)
疲れが消し飛ぶ気がするのだ。
空は人から称賛されたくて頑張っているわけではない。
だが、やはり称賛されるのとされないのでは、モチベーションはどうしても変わる。
ようするに。
(聖天魔法を使って、少し体力を持っていかれたけど、まだまだ戦える。みんなのために頑張らないと……戦ってみんなの日常を守るんだ)




