第四百四十七話 空はどんどん倒してみる③
「飛行型の魔物だ! 来るぞ!」
聞こえてくる兵士の言葉。
それと同時、雲の間から現れたのは大量のワイバーンやハーピー。
兵士達は次々に魔物へ弓を射るのだが。
「くそ、だめだ届かない! 弓じゃ無理だ、魔法隊を前に!」
言って、陣形を変え始める兵士隊。
しかし、そうこうしている間にも魔物達は攻撃を始めようとしている。
(強力な魔物を狙う方針からどんどんずれてるけど、苦戦しているところを助けるのも立派な遊撃隊な役目……それなら)
「リーシャ、使うけど大丈夫?」
「はい、聖天魔法ですね。わたしはいつでも用意ができています! この身は全て、クウ様のものですから!」
と、言ってくるリーシャ。
空はそんな彼女に頷いたのち、片手を上空の魔物へと翳す。
同時、リーシャと繋いでいる手から、これまで以上の力が流れ込んで来る。
(聖天魔法はかなりの力を持っていかれる。それでも余力を残しつつ、一撃で広範囲の魔物を倒し切る)
肝心なのは調節だ。
空はそんなことを考えたのち、意識を集中。
魔物を充分に引きつけたところを狙って――。
「聖天魔法 《ジャッジメント》!」
直後、魔物の上空から大量の雷が降り注ぐのだった。




