第四百三十二話 空はようやく認識してみる④
「返事はするよ。すぐに……ってわけにはいかないけど、ちゃんと考えて……絶対に返事はする」
「く、クー……」
と、なにやら顔を真っ赤にしていくシャーリィ。
彼女は急にわたわたしながら、空へと言ってくる。
「し、シャーリィはお腹空いた! そ、そうだ! シャーリィ、クーの料理取って来る! 何がいい?」
「料理、まだ来てないけど……」
「…………」
と、うつむいてぷるぷるしているシャーリィ。
とても珍しい反応だ。
尻尾と耳もぴくぴくしているのが、なんとも可愛らしい。
空がそんなことを考えたその時。
シャーリィが再び空へと言ってくる。
「む、むぅ~~~~~~! クーは意地悪だ! クーはとっても優しいけど、とっても意地悪なんだ!」
ぷいっとそっぽを向いてしまうシャーリィ。
彼女は珍しく頬を膨らませ、お怒りモードだ。
とはいえ。
空かしてみれば、そのお怒りモードも慎ましやかで可愛らしく見える。
シャーリィは何をしても、不思議とほわほわムードが漂うのだ。
「あ! クー笑ってる! シャーリィが怒ってるのに笑ってる!」
と、言ってくるシャーリィ。
彼女は口調と裏腹に、尻尾をふりふり振りながら、空へと続けてくるのだった。
「クーはやっぱり意地悪だ! とっても意地悪なんだ! ……でも、シャーリィはそんなクーが大好きだ」




