第四百二十九話 空はようやく認識してみる
「クー、モテモテだ!」
と、言ってくるシャーリィ。
彼女は尻尾をふりふり、空へと続けてくる。
「でもシャーリィ、クーがモテモテでとっても嬉しい!」
「あ、ありがとう?」
「クーはモテモテで嬉しくないのか?」
「いや……まぁ、嬉しくないわけではないけど」
それよりも戸惑いの方が、圧倒的に大きい。
なんせ、リーシャはともかく胡桃が意外すぎるのだ。
空が知っている限り、胡桃は空のことを嫌っていた。
彼女はことあるごとに、空に攻撃と口撃を繰り返してきた。
おまけに、彼女は妙な食べ物で空を毒殺しようとしたことまである。
(でも時々、胡桃から妙な雰囲気は感じていたのも確かなんだよね。自分で言うのもあれなんだけど、まるで僕に好意を向けている様な)
空と二人で出かけたがったり。
告白のようなシチュエーションに何度も持って行ったり。
手料理を作ってくれたり。
一緒に寝たがったり。
他にも色々と、思い当たることはある。
と、空はここでとあることに気が付くのだった。
「まさか……胡桃ってツンデレってやつだったりするのかな」




