第四百十七話 空はお祭りを楽しんでみる②
「へぇ、見た目もそうだけど、味も全然変わらないわね」
と、言ってくるのは胡桃だ。
彼女は綿あめを食べながら、空へと言ってくる。
「そういえば、空って好きなお菓子とかあるの? 寮にいつもお菓子完備してあるわよね?」
「あーうん、ポテトチップスが好きなんだよね。僕も時雨も……まぁ、最近は殆どシャーリィが遊びに来た用になってるけど」
シャーリィはポテトチップスをよく食べるのだ。
それこそ、一回に四袋くらい軽くいく。
それでも彼女の体型が崩れないのは、本当に不思議だ。
(そういえば、狐娘族に太ってる人っていないよね。ひょっとして、どれだけ食べても太らない体質とかなのかな?)
「ね、ねぇ空!」
と、聞こえてくる胡桃の声。
彼女は空へと続けて言ってくる。
「も、もしだけどその……あたしがほら、作ってあげるとしたら……その、作って欲しいお菓子とかある?」
「え、胡桃が?」
「へ、変な勘違いしないでよね! 今料理の練習してて、失敗したのを捨てるのがもったないだけ! あんたのために作ってあげるわけじゃないんだからね!」
「あ~、だったらシャーリィにあげるといいんじゃないかな! シャーリィだったら、きっと喜んで――」
「あ・ん・た・に・き・い・て・る・の!」
ガクガク。
ガクガクガク。
胡桃による安定の必殺技。
空がなすすべもなく、シェイクされていると。
「わ、わたしも知りたいです!」
と、空の手を握って来るリーシャ。
彼女は空へと続けて言ってくるのだった。
「クウ様が作って欲しいお菓子、わたしに教えてください!」




