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第四百十四話 空は誘ってみる②
「いや、あれはほら使うのに条件が色々とあるから」
「?」
と、なおも首をかしげるシャーリィ。
空はそんな彼女へと続けて言う。
「あれは僕の持ち物にしか使えないんだよ。だから――」
「それなら簡単だ! クーがマリィとソフィアを奴隷にすればいいんだ!」
「え」
「マリィもソフィアも、クーがご主人様なら喜ぶ!」
「…………」
空はうっかり想像してしまった。
マリィとソフィアが、空の奴隷になった光景を。
…………。
………………。
……………………。
ソフィアはともかく、マリィがやばい。
マリィを奴隷にした際の犯罪臭が、半端ない。
ここが日本なら、変態罪で捕まっているレベルだ。
「いや、っていうかさ、シャーリィはいいの!? 自分の大切な妹が奴隷になっても!?」
「クーなら安心だ! クーの奴隷になったら、きっと今より幸せになれるんだ!」
と、尻尾をふりふりシャーリィ。
どうにも恥ずかしい台詞を言ってくれるのだった。




