第四百六話 空とリーシャと元魔王
「ソフィア様のことです!」
と、言ってくるのはリーシャだ。
彼女がソフィアのことを知っている理由は簡単だ。
というのも、空がソフィアについてと、彼女から得た情報を共有したのだ。
もちろん、情報を流していいか、事前にソフィアには許可を取っている。
結果。
「あの場に居る全員が、とても驚いていました!」
と、言ってくるリーシャ。
彼女は空へと続けて言ってくる。
「今の魔王がかつての魔王でなく人間……しかも魔王の力のせいで暴走している。クウ様はどうして、そんな情報をソフィア様から得られたんですか?」
「え、普通に話してくれたけど」
「ふ、普通に……あの、ソフィア様ってどういう方なのでしょうか?」
「簡単に言うと、狐娘かな。ちょっと古風な喋り方をする狐娘。でも、精神面に少し幼さを残してる感じがする――あ、危険性は全然ないみたい」
「女の子……なのですね」
なにやら悩み顔のリーシャ。
自覚はないが、何か困らせることを言ってしまったのなら、申し訳ない。
と、空が考えていたその時。
「ソフィア様は今、どこで暮らしているのですか? ま、まさかその……クウ様の世界で――クウ様の部屋で一緒にということは」
リーシャはそんなことを聞いて来るのだった。




