第四百四話 空とリーシャの気分転換
時は翌日――早朝。
場所はエクセリオンの商店街。
「やっぱり、こんなに早いとお店はやってないんだね」
「はい。この時間だと開店の準備をしている時間だと思います」
と、言ってくるのはリーシャである。
彼女は空へと続けて言ってくる。
「それに……ひょっとしたら、今日はどこのお店もお休みかもしれません」
「それってやっぱり明日、魔王軍が攻めてくるから?」
「さすがクウ様です! その洞察力、尊敬させていただきます!」
と、お祈りモードに入ってしまうリーシャ。
彼女はひとしきりお祈りしたのち、空へと言ってくる。
「やはり、最後になるかもしれない日は、大切な人と過ごしたいんだと思います」
「最後にはさせないよ」
「クウ様?」
「僕と胡桃とシャーリィ、それにリーシャだっているんだから。絶対に大丈夫、僕達なら魔王軍を倒せるよ」
「不思議です……クウ様がそう言われると、本当にそんな気がしてしまいます」
「僕はそのために呼ばれたから、それくらいはしないとね」
と、空はそこで商店街の一角にとあるものを見つける。
それはこの時間からでも開店している喫茶店だ。
空はそちらを指さし、リーシャへと言うのだった。
「せっかくだからさ、寄っていかない?」




