第四百二話 空は会議に参加してみる
「おそい!」
と、エクセリオンへ到着そうそう言ってくるのは胡桃である。
彼女は空へと続けて言ってくる。
「だいたいなんで、あたしだけ先にエクセリオンに行ってないとだめだったのよ!」
「え、それは僕が『胡桃も一緒に行く?』って聞いたら、胡桃が『あんたなんかと一緒に行きたくなくもないんだからね』って言ったから、先にエクセリオンで待っててもら――」
「っ~~~~~! あんたは少し言葉の裏を読みなさいよね! この前だって、水族館にシャーリィ連れてくるし……なんでいつもそうなのよ!」
「ちょ――だから、ガクガクするのはやめてって!」
意味がわからない。
空としては、全て胡桃のためを思って行動しているのだ。
なのにどうして、こういうことになるのか。
「もう……あたしは空と一緒にいたいだけなのに(ボソボソ)」
と、何やら呟いている胡桃。
きっと、空に文句を言っているに違いない――あとで謝っておこう。
空がそんなことを考えたその時。
「あ、クウ様!」
と、聞こえてくるのはリーシャの声だ。
彼女はパタパタ駆け寄って来ると、空へと続けて言ってくる。
「ようこそ、エクセリオンへ! クウ様の到着をお待ちしていました!」
「うん、ありがとう! それで、さっそくなんだけど……」
「はい、あまり猶予は残されていません。クルミ様には事前に説明したのですが、クウ様たちには今から会議に参加してほしいと思います……ついて早々で申し訳ありません」
と、しゅんとした様子のリーシャ。
空はそんな彼女へと言うのだった。
「大丈夫だよ。僕達はそのために来ているんだから」




