第四百一話 空は長期休暇とってみた②
「クー、クー! ところで、クーは本当にしばらくこっちに居られるのか!?」
と、言ってくるシャーリィ。
空はそんな彼女へと言う。
「うん。学校にもしばらく、諸事情で休みますって言ってきたしね」
「学校、休んで大丈夫なのか? シャーリィは心配だ!」
「うーん、絶対に大丈夫とは言えないけど……日頃ちゃんとやってたから、ある程度は大丈夫かな。それに……」
例え大丈夫でなくても、しばらく異世界に居なければならない理由があるのだ。
それは。
(この前、異世界に来たときにリーシャから報告があった)
魔王軍にいよいよ動きがあったと。
魔王軍は明後日の朝には、エクセリオンへ到着してしまいそうとのこと。
放っておけるわけがない。
たしかに空はヒーローを目指している。
そして、この世界は訓練の場として考えていた。
(でも、この世界の人達と大勢かかわったから……もうその認識は変わってる)
空はこちらの世界も守りたいのだ。
日本とファルネール――どちらかを優先するなどありえないのだ。
「クー? 急に難しい顔をして、どうしたんだ?」
と、心配そうなシャーリィ。
空はそんな彼女へと言うのだった。
「ん、少し考えごとしていただけだから、大丈夫……それじゃあ、リーシャのところに行こうか」




