第三百九十七話 空は信じてみる
時はあれから数分後。
場所は食事処傍のベンチ。
「ちょっと確認したいんだけどさ、ソフィアって本物なの?」
「本物? それはいったいどういうことじゃ?」
と、ひょこりと首を傾げているソフィア。
空はそんな彼女へと言う。
「さっき言ってた話――元魔王だっていうのは、本当のことなの?」
「なんじゃ! まだ信じてなかったのか!? 最初からそう言っているのじゃ!」
「…………」
正直、未だに空は全てを信じられない。
なぜならば、ソフィアの容姿があまりにも、魔王らしくないからだ。
シャーリィの友達……などと言われたほうが、よほど信じられる。
「よいか! 我は魔王! この世界に唯一にして、絶対の存在……だったのに」
と、ぷるぷる震え出すソフィア。
彼女は空へと続けてくる。
「むぅ~~~~~! どうしてこうなってしまったのじゃ! 監禁されて! 逃げて! 追われて! 助けられて! これじゃただの雑魚じゃ!」
ビチビチ。
ビチビチビチ。
ソフィアの銀色モフモフ尻尾は元気だ。
空はそんな彼女を見ながら思う。
(街にあんな魔物がやってきたのもそうだし、ピンポイントで僕達を襲ってきたこと……それに、魔物に対するソフィアのリアクション)
どう考えても、ソフィアが嘘をついているとは思えない。
であるなばら、今彼女に聞くべきことは一つだ。
「ねぇ、ソフィアは今の魔王を止めることはできないの?」




