第三百九十五話 空はソフィアを安心させてみる②
「本当じゃ! 本当なのじゃ! 我はもう嫌じゃ! 暗い場所に閉じ込められるのは、もう嫌なのじゃ!」
と、言ってくるソフィア。
彼女がそう言った直後、突如として食事処の壁が外側から破壊される。
入ってきたのは魔物。
身長五メートルを超える亜人種、オーガだ。
(ソフィアの様子から、まさかとは思ったけど……本当にソフィアを狙ってる?)
だとするならば、ソフィアの話も本当ということになる。
となれば、彼女の話をもう少し聞く必要があるに違いない。
(そのためにも、今は目の前のオーガを倒す!)
空は魔法 《ブラックスミス》使って右手に片手剣を作成。
続けて魔眼 《王の左目》を発動。
「どっから来たか知りませんけど、これ以上被害を広げるわけにはいかない。一瞬で終らせてもらいます!」
と、空はここで今さらながらに気がついてしまう。
そういえば、今現在――空の手をソフィアが握っていることを。
(振りほどく……っていうのも、この状況だとなんだかな)
仕方ない。
近接攻撃より時間はかかるが、ここは――。
空はそんなことを考えた後。
片手剣を大きく振りかぶるのだった。




