第三百九十一話 空とシャーリィは狐を助けてみる
時は銀狐を助けてから数十分後。
場所はゴリラ娘さんが居る食事処。
「くははははははははははははっ!」
と、響き渡るのは空とシャーリィの正面に座る銀狐の少女の声だ。
彼女は目の前にある肉を次々に食べながら、空へと言ってくる。
「くく、この我に食べ物を用意するとは、よい心掛けなのじゃ!」
「はぁ……」
「む、どうしたのじゃ? この我が褒めているのじゃから、もっと喜ぶのじゃ!」
と、今度は凄まじい速度で飲み物を飲みだす少女。
どうやら彼女、別に怪我や病気ではなく、単に空腹だったようだ。
(心配して損したな……でも、たいしたことなくてよかった)
と、空がそんなことを考えていると。
空の袖がくいくいと引っ張られる――シャーリィである。
彼女は空へと言ってくる。
「クー……なんだかこの狐、うるさい!」
「そういうことを、本人の前で言ったらダメだって!」
「な、なんじゃとうぬら! 我にうるさいじゃと!」
と、バンっとテーブルを叩いて立ち上がる銀狐娘。
彼女は空とシャーリィを交互に見たのち、言葉を続けてくるのだった。
「うぬらは、この我が誰だかわかっているのか!?」




