第三百八十八話 時雨と唯花は仲良し?
場所は変わらず食堂。
時雨と唯花は、あれからもどうでもいい話題を続けていた。
「そういえばあんた……強いの?」
と、言ってくるは唯花である。
時雨はそんな彼女へと言う。
「なんですか唐突に?」
「あんた、さっき強い人はどうの言ってた……あんた自身は強いの?」
「まぁ、一般的な範囲から見ればですが――一応最強のヒーローという肩書ですね」
「最強のヒーロー……つまり、空より強い?」
「ですから一般的な範囲と言ったんです。兄さんの強さは常人のレベルを、完全に越えてしまっています。兄さんと比べれば、わたしなんて凡人ですよ」
「じゃあ……あんたと私は?」
「はい?」
なんだか、今ものすごく気になる発言をされた気がする。
時雨がそんなことを考えていると、唯花が再び言ってくる。
「時雨と私……どっちが強い?」
「わたしです」
「……私は――」
「わたしです。わたしは兄さん以外に負ける気はありません」
「時雨……私の身体能力は怪人化しているせいで、空とほとんど変わら――」
「わたしの異能 《プロヴィデンス》は万能の異能です。兄さん以外には負けるわけがありませんよ!」
「……勝負」
と、言ってくる唯花。
彼女は急に立ち上がると、時雨へと言ってくるのだった。
「私と勝負しよ……」
と、こんなやりとりから数十分後。
駆けつけた空と胡桃により、二人はこっぴどく怒られるのだった。




