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第三百七十八話 空はシャーリィの家にお邪魔してみる
ポテトチップスによって、狐包囲網を抜けてから数分。
現在、空はシャーリィの家へとやってきていた。
「お邪魔します」
「おじゃまして大丈夫だ! クーなら大歓迎だ!」
と、言ってくるシャーリィ。
空が彼女の言葉に甘えて、玄関から一歩進もうとしたその時。
事件は起きた。
「くぅ! ほんもののくぅだ!」
たたっと、かけてくる小さな影。
それは空の足にペタっと抱き着いてくると。
「くぅ……好き、いいにおい……くぅ、好き、好き……好き」
そんなことを言ってくる。
さて、その小さな影の正体は――。
小さなシャーリィだった。
顔も髪型も、着ている服もシャーリィそっくり。
ただ違うところは、さきほど言った通り小さい。
ミニ狐だ。
尻尾だけはモフモフしているとろが可愛らしい。
と、空がそんなことを考えていると。
「マリィ! ちゃんと挨拶しないとダメだ! クーが困ってる!」
シャーリィのそんな声が聞こえてくるのだった。




