第三百六十三話 空とノインに話してみた
あれから数十分後。
空はノインへ、胡桃と仲良くなった経緯を話した。
念のために、異世界のことを除いてだ。
(異世界のことは、ノインの反応次第で話すのがベストだよね)
秘密を知っている人間は少ない方が、円滑になるに違いないのだから。
と、そんなことを考えたのが悪かったに違いない。
「姉さんが……ど、れい?」
サッと両手で身を守るようにし、ベッドの端へ寄るノイン。
彼女は心なしか、カタカタと震えながら空へと言ってくる。
「あんたは姉さんを奴隷にする変態……私、ひょっとしてあぶな――」
「ちょっと待った! なにか勘違いしてるって!」
「……勘違い?」
「胡桃は自分から望んで、僕の奴隷になったんだ!」
「あんた……そういえば、私の洗脳を解いた」
突然話を変えるノイン。
たしかに、彼女の言う通りではある。
だが、それがいったい――。
「ひょっとして……精神を操る異能を持ってる?」
ジトッとした表情で言ってくるノイン。
彼女は空へと続けて言ってくるのだった。
「ひょっとしてあんた……姉さんを洗脳して、奴隷にしてる?」




