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レベルの概念があるのは僕だけなので、最強無敵の英雄になってみる  作者: アカバコウヨウ
少女と英雄の章

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第三十六話 序列三百六十位ワーストVS序列十位③

「序列十位 梓胡桃……ここで越えさせてもらう」


 空が繰り出す攻撃は進む勢いを乗せての裏拳。

 梓は攻撃をした直後のため、防御に移れるような体勢ではない。


(決まるっ!)


 だが。

 直後、空を襲ったのは拳の痛み――まるで鉄でも殴ったかのような感覚である。

 その正体は。


「あたしの本来の能力は防御。《イージス》はどんな攻撃だろうと、絶対に通さないんだから!」


 と、梓はまるで勝ちを確信しているかのような笑みを浮かべてくる。

 けれど、空は彼女の自信の理由もよくわかる。


(まさに攻守一体。攻撃は不可視の盾を銃弾のように放ち、その隙は本来の盾としての使い方をして埋める)


 難攻不落。

 絶対防御の梓胡桃の名は伊達ではないに違いない。

 けれど。


「魔法 《ファイア》!」


 空は殴りつけた拳をすぐさま開き、そう口にする。

 すると、手のひらの先から不可視の盾に向け、ゼロ距離で放たれたのは火球。


「なっ!?」


 と、聞こえてくる梓の声。

 しかし、空としてはそんな声に反応している場合はない。


(魔法で視界を遮っている今、僕は一時的にフリーだ!)


 空はすぐさま移動。

 梓の背後に回り込み、再び攻撃に移る。

 すると。


「甘いのよ!」


 と、梓の攻撃と同時吹き飛ぶ魔法の炎。

 彼女は空へと向きなおり、続けて言ってくる。


「今の炎をどうやって出したかは気になるけど……目くらましして、隙でもつくつもりだった? 残念、あたしの異能 《イージス》は全方位に張れるんだから! 消耗も早くなるし、盾の密度も薄くなるけど、あんた如きの攻撃じゃ――」


「僕が作り出したかったのは隙じゃない。攻撃に移る態勢を、もう一度整える時間ですよ」


 言って、空は再び梓へと攻撃を仕掛ける。

 今回も先ほどと同じく、繰り出すのは勢いを乗せての裏拳。


「あんたバカじゃないの? そんな攻撃は効かないんだから!」


 梓の言う通り、通常の攻撃で《イージス》は破れないに違いない。

 けれど、今から空が行うのは通常の攻撃ではない。


「拳技《破砕》!」


 鎧を破壊することに特化した技。

 その技を纏った空の拳は――。


 ガラスが割れるような音をたてながら、不可視の盾を打ち砕いて進む。

 このままいけば、この攻撃は今度こそ梓に入るに違いない。

 だが、その瞬間。


 空は確かに、梓が笑みを浮かべるのを見た。

 そして彼は、それを見て思い出す。


 異能 《イージス》は身にまとうこともできる。


 二重防御。

 だからこの鉄壁。


 しかし、このチャンスを逃すわけにはいかない。

 空は攻撃を放った手と反対の手を引き、そのまま連撃へと移る。


「重ねて、拳技《穿》!」


 空が右拳で放ったその技は、鎧の上からでも相手へ衝撃を伝える技。

 彼の想像通り、梓が盾を身に纏っているのだとしたら――。


「あっ……ぐっ――」


 と、空の攻撃を盾の上から受けた梓。

 彼女は闘技場の舞台の上で、ゆっくりと崩れ落ちるのだった。


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