第三百五十二話 空はノインを倒してみる②
「剣技 《断空》!」
空が放ったその技は、間違いなくノインへと当たる。
それだけではない。
(ゴブリンに《断空》を使った時と同じだ――何かを斬ったような感覚が、両方の片手剣からしっかりと伝わってきた)
さて、あとは結果を確かめるだけだ。
空はゆっくりと、ノインを振り返る。
すると。
「っ……」
ノインの身体が突如揺れる。
間違いない、意識を失いそうなのだ。
空はすぐさまノインへと駆けより、彼女の身体を支える。
それと同時、糸が切れたように空の腕の中で倒れるノイン。
(《断空》が効いた……ってことでいいんだよね?)
これで空の狙い通りならば、ノインは目を覚ますころには元に――唯花
だったころの全てを取り戻しているに違いない。
(とりあえず、このまま抱きとめているのもあれだし、一回地面に寝かせよう)
強引に洗脳を解き、記憶を戻したのだ。
それなりのショックがあるに違いないないのだから。
ただ、それよりも問題なのは。
(怪人化させられたことによる肉体的ダメージだよね。さっきの身体能力は明らかに人間を超えていたし、確実に体を改造されてる)
問題といえば、怪人の力を使う時のリスクもそうだ。
今のノインは徐々に落ち着いてきているように見える。
しかし、戦闘時の彼女の呼吸は明らかにいじょ――。
「こっの――バカあぁああああああああああああああああああっ!」
と、聞こえてくる胡桃の声。
直後、空の横っ面に割といいものが直撃するのだった。
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九月と十月に、計5日ほど今回のようなペースになることがあると思います。
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