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レベルの概念があるのは僕だけなので、最強無敵の英雄になってみる  作者: アカバコウヨウ
少女と英雄の章

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第三十五話 序列三百六十位ワーストVS序列十位②

「次は僕の番? 勘違いしないでよね!」


 と、言ってくるのは梓である。

 彼女は自信あり気といった笑みを浮かべ、続けてくる。


「あんたの番なんて回ってこないんだからね! これから先、ずっとあたしの番……攻撃を躱せたのは褒めてあげるけど、ね!」


「っ!」


 空は咄嗟に体を動かす。

 すると、またしても先ほどまで居た場所に不可視の盾が飛んでくる。


(早い……まるで見えない大砲だ。当たれば相当のダメージを受けるに違いない。だけど――)


 梓のモーションさえ把握すれば、攻撃を楽に躱すことができる。

 それが今の一撃で完全に理解できた。

 ならばもう怖くはない。


(接近して一気に叩く!)


 と、空が駆け出すと同時。

 梓の猛攻が始まる。


「このあたしに、勝てると思ってるその顔……不愉快なんだから!」


 そんなことを言ってくる梓。

 言葉の荒々しさとは逆に、その異能の使い方は繊細さを極めている。


 先ほどまでの拳の大振りなど、彼女はもはやしていない。

 手首のスナップ、指先の細やかな動き――大小様々な動作に乗せ、大小様々な盾を間断なく飛ばしてくるのだ。


 まるでダンスをするかのような。

 まるで指揮でもすかのような華麗な攻撃。


 序列十位。

 絶対防御の梓胡桃は確かに強い。

 だが。


(見える)


 空はその全ての攻撃を躱していた。

 それも最小限の動きで、徐々に梓へと近づきながら。


(盾の射出速度は確かに速い。だけど、梓さんの動作にさえ気をつければ、到底当たるような攻撃じゃない)


 これが異世界で得た身体能力。

 常人ならば、戦闘中に『相手の動作を見てから行動する』など、できるはずがないのだから。


「っ……なんで当たらないのよ! ワーストのくせに!」


 と、ついに焦った様子を前面に出す梓。

 先ほどから攻撃の苛烈さからも、焦りは見えていた。

 だが、ここまで心を乱せばあとは――。


「序列十位 梓胡桃……ここで越えさせてもらう」


 言って、空は梓のがら空きの胴体に攻撃を仕掛けるのだった。


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