第三百三十六話 空と怪人島攻略④
「他にも怪人が集まってきてる。気を抜かないで!」
「それってどれくらいよ?」
と、言ってくるのは胡桃である。
空は《サーチ》で詳細を確認しながら、そんな彼女へと言う。
「ざっと数えた限りでも、四体はいるかな」
「四……なによ、楽勝じゃない!」
「まぁ勝てると思うけど、油断はしないでね」
「油断してても、あたしとあんたなら余裕なんだからね!」
胡桃の言う通りだ。
天使班にとっては、怪人四体は充分に処理できる範囲だ。
勇者ブーストのある空と胡桃なら、一人でも相手できるに違いない。
「それで空、来てる方向はどっちからかしらぁ?」
と、言ってくるのは氷菓である。
彼女は手のひらに氷を作り出し、遊ばせている。
きっと、空の指示があり次第、異能による攻撃をしようとしているに違いない。
であるならばと、空はさっそく指示を出そうとする。
しかし。
「ちょっと待った……反応が八体になった」
「……どういうことですか? 向かってきている人数が増えたということですか?」
と、ひょこりと首を傾げる時雨。
空はそんな彼女へと言う。
「わからない。でも急に反応が……あれ?」
「兄さん、ひょっとして索敵能力の調子が悪いとかですか? なんだか混乱しているように見えます」
「いや、索敵の調子はいいと思う。ただ、混乱するような事態が起きていてね」
「?」
ひょこりと首を傾げる時雨。
だが、今現在そうしたいのは空だ。
なぜならば――。
「その反応……なるほど、おぬしが索敵能力持ちか」
と、空が時雨へ理由を説明しようとしたその時。
そんな声が聞こえてくるのだった。




