第三百二十一話 空と断空は何を斬る?③
空が『斬れない物』について考えてから数分後。
一人で考えても仕方ないと、空は二人にも相談していた。
結果。
「うーん……シャーリィはやっぱり炎とか空気しか思い浮かばない!」
と、言ってくるのはシャーリィである。
彼女は難しい顔で腕を組みながら、空へと続けてくる。
「でも、クーが試してそれが違うとなると……斬れない物、斬れない物……うーん、駄目だ! 頭の中がわちゃわちゃする!」
「やっぱり思い浮かばないよね」
「クーが考えても思い浮かばないなら、シャーリィじゃ無理だ! でも、クーのためにシャーリィ頑張る! 頑張って考える!」
と、うーんうーんとうなりながら、必死な様子で考えてくれるシャーリィ。
とその時。
「ひょっとすると、物ではないのではないでしょうか」
聞こえてくるのは、リーシャの声である。
彼女は空へと続けて言ってくる。
「クウ様とシャーリィ様の話を聞いていて思ったのですが、そもそも物体に使う技能ではない可能性があります!」
「えっと、つまり?」
「その、うまく言葉で表すことができないのですが……」
「なんとなくでもいいから、言って欲しい」
「はい、それでは――」
と、空はリーシャの言葉を聞くのだった。




