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レベルの概念があるのは僕だけなので、最強無敵の英雄になってみる  作者: アカバコウヨウ
怪人と英雄の章

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第二百九十九話 空と天使班とムカデ駆除④

「剣技 《七閃》」


 一撃で完全同時の七撃を繰り出す神速の魔技。

 時間を静止させるほどに成長した魔眼とあわさったその技は――。


 文字通り。

 ムカデ怪人を即殺した。


「…………」


 念のため、空はその後も周囲の気配を窺う。

 しかし、周囲から胡桃達に向けられる敵意はもはや感じられない。


 とりあえず空は一旦、魔眼の力を解除。

 すると。


「あ、あたしはこんなところで負けない……負けられないんだから!」


 と、背後から聞こえてくるのは胡桃の声である。

 見ると、彼女は皆を守るように背中で庇い、渾身といった様子で盾を張っている。

 しかし。


「……あ、あれ?」


 と、なにかがおかしいと気が付いたに違いない。

 彼女はきょろきょろした後に空へと言ってくる。


「く、空……ひょっとして、一人で全部倒しちゃったの?」


「えと、あははは……ごめん、あの状況だと魔眼を使うしかなくて」


「~~~~~~~~~!」


 ぷぅ~っと、何か言いたそうに頬を膨らませる胡桃。

 空だって彼女の言いたいことはわかる。


(せっかくの天使班初の実戦なのに、僕だけで相手を全滅させたらそれは怒るに――)


「でも、空……ありがとう。あたしを守るために、全力で戦ってくれて。ヒーローになって人を守るのもいいけど、守られるのもなんだか……えへへ♪」


 と、空の考えを断ち切る様に言ってくる胡桃。

 さっきとは一転、ものすごく幸せそうな表情である。

 どうやら、また胡桃の病気が発症したようだ。


 やはり、この任務が終わったら病院に連れて言ったほうがいいに違いない。

 それはそうと。


「時雨、班長を一時的に交代して欲しんだけど」


「それは、どういうことですか……兄さん?」


 と、ひょこりと当然の疑問を投げてくる時雨。

 空はそんな彼女へと言う。


「僕が居ない間、卵の破壊をしてほしんだけど。まださっきの怪人が残ってる可能性もある……だから、もしも戦闘になった際は経験豊富な時雨がみんなに命令を出してあげて欲しいんだ」


「えと、そうではなくですね」


「あぁ、大丈夫。多分もうさっきのムカデ怪人は残ってないよ。あくまでもしもの――」


「いや違いますよ! そうではなく……どうしてそれを兄さんがしないんですか!」


 そういえば、それを言っていなかった。

 空はそんなことを考えながら、時雨達から少し距離を取る。

 と、その時。


 巻き起こるこれまで以上の振動。

 大きく盛り上がる空の真下の地面。


「僕はこいつの相手をする」


 空を飲みこむように現れたのは。

 ムカデ怪人など目ではない――超巨大ムカデだった。


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