表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レベルの概念があるのは僕だけなので、最強無敵の英雄になってみる  作者: アカバコウヨウ
怪人と英雄の章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

292/612

第二百九十二話 空と石の国③

 時はあれから数分後。

 現在、空達は件の穴の中を歩いていた。


 穴の中は簡潔に言うと洞窟のようになっており、歩きやすいように整地されてすらいた。

 つまり。


「何者かがここを何度も通っている形跡がありますね……」


 と、空の考えていることを引き継ぐように言ってくる時雨。

 彼女は異能 《プロヴィデンス》で周囲を照らしながら、空の一歩後ろを歩いている。

 空はそんな彼女へと言う。


「それもそうなんだけどさ。この穴って、本当に一人で掘ったのかな?」


「それはわたしも思っていました……犯人は対象を石にする異能のはずです。であるならば、この洞窟を掘ったのは素手ということになる」


「じゃあやっぱり複数犯ってことかな?」


 それならばスカルボーンがああして、石になっていたことにも説明がつく。


 例えばスカルボーンは全員で三十人いたとする。

 その中の九人が残り二十一人を異能を使って倒した。

 仕上げに九人の中の一人が、二十一人を石にしたというわけである。


 一人で二十一人倒したと考えるより、よほど現実的である。

 もっとも、空のようにレベルの概念を持っていれば、話はべつだが……。

 まぁそれはありえない。


「複数犯……その可能性が高いでしょうね」


 と、顎に手をやり考えごとモードの時雨。

 彼女はその恰好のまま、空へと続けて言ってくる。


「ですがそうなると、少なくとも強力な異能を持つ能力者が二人いることになります」


「『相手を石にする能力者』と、『土を自在に操る能力者』ってことかな?」


「その通りです。いくら複数人とはいえ、この大穴を短期間で素手で掘ったとは思えませんから……しかし、この状況だと後者の能力者の存在はまずいかもしれません」


 たしかに。

 土を操れるのなら、空達は現在絶賛敵の腹の中ということになる。

 いつ周囲の壁が迫ってきて、ぺちゃんこにされてもおかしくない。


(でも、仮にそうなっても僕と胡桃でなんとかできそうだけど……)


 と、空が考えたその時。


「ねぇ、あんた達さ。さっきから相手が異能力者前提で話してるけど、本当にそうなの?」


 胡桃がそんなことを言ってくるのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ