第二百五十三話 空と風紀委員と話し合い③
「さぁ空……おまえの返事を聞いてあげるわぁ」
と、偉そうに言ってくる氷菓。
返事もなにも、彼女は要するにこう言いたいに違いない。
「えっと、氷菓さんはつまりここに居る三人でグループを組みたいと?」
「ふふっ……そうね、そういう風にも取れるかもしれないわねぇ」
と、異能で作り出した氷の星をつんつんし始める氷菓。
どうやら図星だったに違いない。
(まぁ僕もまだグループ決めてなかったし、気心のしれてる氷菓さんと組めるのはありがたいかな。それに氷菓さんはこう見えても序列五位だし)
となれば、あとは胡桃だ。
空は胡桃の意思を確認すべく、彼女へと声をかける。
「話聞いていてわかったと思うけど、ここに居る三人で組むのはどうかな?」
「あたしは別にいいわよ、一色先輩の戦いを間近で見れることも増えるだろうし……それに」
と、何やら突如もじもじし始める胡桃。
彼女は何故か空にずいずいと身を寄せてきながら、言葉を続けてくる。
「あ、あたしはその……空と一緒にいられるなら、なんでもいいかな……なんて♪」
「あ、あのさ胡桃。なんだかよくわからないけど、当たってるんだけど……その」
「く、空のエッチ! でも空なら別に……い、いいよ?」
「いいって……な、何が?」
「もう! 空のバカ! 変態! 本当はわかってるの知ってるんだからね!」
時々、胡桃はこうなる。
空の分析としては、怪人と交戦した際の後遺症だと思っているのだが。
(やっぱり病院に連れていった方がいいのかな。本人は大丈夫って言ってるけど、やっぱり完全におかしくなってるよね)
一定間隔で発作のようにこうなるのも、病気の証に違いない。
タイミングとしては、空と近づいている時が多いように見える。
と、空がそんなことを考えていると。
「梓胡桃……邪魔者リストに追加かしらぁ」
ボソッと。
氷菓の声が聞こえてくるのだった。




