第二百五十一話 空と風紀委員と話し合い
言うまでもないが今日は全校集会以降、生徒の話題が尽きることはなかった。
学祭なくなるのは、マジでありえないだの。
学生ヒーローの件はどう思うだの。
どちらかというならば、当然後者の話題が多く聞こえてきた。
その件で特に話に上がっていたのは――。
●ただし、正式な出動要請を受けた際、学生ヒーローはプロヒーロー一名同伴込のフォーマンセルになる必要がある。
という部分だ。
まず、誰と組むか……そして、どのヒーローの元で活動するか。
空だってそれを考えただけで、なかなかに心が浮かれる。
さてさて。
そして現在、時は放課後。
場所は風紀委員室。
「会議を始めます」
と、議長席ポジションから言ってくるのは委員長こと、一色氷菓である。
彼女は組んだ手の上に顎をのせ、ものものしい雰囲気で言ってくる。
「本日の議題を時雨……はまだ来ていなかったわね。代わりに梓胡桃、おまえがいいなさい」
「え、あの……あたしまだ議題が何か聞いてないんですけど」
と、戸惑った様子の胡桃。
空はそんな彼女をフォローすべく、胡桃へと言う。
「氷菓さんは自分で喋るの面倒だから、いつも時雨に押し付けてるんだけど。その時雨がいないから、他の人に無理難題押し付けて現実逃避しようとしてるだけだよ」
「つまり?」
「氷菓さんのああいう話は無視してだいじょ――」
「おまえ、全部聞こえてるわよ」
と、絶対零度の視線で睨んでくる氷菓。
彼女は続けて言ってくるのだった。
「まぁいいわぁ……仕方がないから、今日は私が議題について話します、よく聞きなさい」




