第二百四十五話 空と胡桃は強さについて考えてみる
サンドイッチ事件から数分後。
空がそれでも時折「うんうん」と悩んでいると。
「あーもう! まだ悩んでるの!? 仕方ないわね、だったらあたしも一緒に考えてあげるから、強くなる心当たりとかあったらいいなさいよね!」
と、ぷりぷりした様子で言ってくる胡桃。
空はなんだかんだで、面倒見のいい彼女へと言う。
「えーと、思い当たることはやっぱりレベルを上げることなんだけど」
「あんまり簡単にあがらないんでしょ、レベルって……っていうか、あんた口にサンドイッチの残りかすついてるんだからね!」
と、空の口元についていたサンドイッチの欠片を、自らの口へと運ぶ胡桃。
最近、胡桃の行動がどんどん大胆になっているのは、空の気のせいだろうか。
などと、空が考えていると、胡桃が再び言ってくる。
「なんか裏技とかないの? ほら、ゲームとかでもよくあるじゃない」
「裏技、裏技……あ」
短期間でレベルを上げる方法ならある。
しかし、それは狙ってできるようなものではない。
おまけにそれはやってしまえば、犯罪になるような行為だ。
「あ……って何よ! 気になるから教えなさいよね! それで解決できるなら、万々歳なんだから!」
と、まるで自分のことのように、嬉しそうな表情をしてくれる胡桃。
彼女はどうして空のことで、いちいちこんなに喜んでくれるのか。
空はそんな疑問を抱きつつ、胡桃へとその裏技について言うのだった。




