第二百四十三話 空は強さについて悩んでみる
異世界ファルネールから帰った翌日。
時は早朝、場所は学食の一角。
「はぁ……」
現在、空は絶賛思い悩んでいた。
別に空と胡桃が異世界に行っている間にたった噂について悩んでいるわけではない。
ちなみにその噂とは、時雨が――
『兄さんと梓さんは風邪を引いたので、しばらく授業や委員会に参加できません』
と、言ったことに原因がある。
おかげさまで、二人はイチャコラしてるうちに風邪がうつっただの。
仮病を使ってデートしてるだの……いろいろ噂がたった。
話は逸れたが、空がため息ついている原因は簡単だ。
それはエクセリオンからの去り際に、王様から聞かされた言葉。
『時がくれば声をかける……その時は力を貸してくれるか? 勇者と、その仲間達よ』
もちろんだが、べつそれが嫌だと言った理由ではない。
ただ単に不安なのだ。
(かつてない規模の魔王軍が攻めてくるってことだったけど、今の僕で対処できるのか?)
当然、戦いとなればエクセリオンの人々も、共に戦ってくれるのは間違いない。
しかし、それに甘えるだけでは駄目な気がするのだ。
(このままじゃ絶対にエクセリオンの人たちに、多くの犠牲がでる)
バルコニーで空に声援を送ってくれた人々。
空は彼等を守りたかった。
勇者の義務感などではなく、ただ純粋にそう思ったのだ。
(エンシェントデーモンに苦戦してるようじゃだめだ……もっと強くならないと)
そのためにはどうするべきか。
というのが、現在の空のため息の最大の理由である。
と、そこまで考えたその時。
「空、おーはよ!」
胡桃は言って、隣の席に腰掛けてくるのだった。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
今回から新しい章になります!
リーシャの章はいかがでしたでしょうか?
ああいう子を書くのは初めてだったので、萌えていただけたなら幸いです!
ここまででラノベ二巻くらいの長さです!
これからも続きますので、よろしくお願いします。
なお、三章は日本パート多めです。
異世界パート好きな方は、どうか付き合ってくれると嬉しいです。
さて、こちらはいつも言ってることなのですが
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