第二百四十二話 空とエクセリオンに迫る危機
時あれから数分後。
現在、空とその仲間達は全員が、王の間へと集まっていた。
そして。
「魔王城周辺に放っていた密偵から連絡が入ったのじゃ」
と、そんな空達に言ってくるの王様である。
王は見てわかるほどに渋そうな顔をして、空達へ続けてくる。
「どうも魔王城でよくない動きがあったようじゃ」
「まさか、また魔物達が攻めてくるのですか?」
と、胸元に手を重ね心配そうな様子のリーシャ。
彼女の言葉から察するに、このエクセリオンには度々魔物達の侵攻があるに違いない。
(そういえば、出会った時くらいに言ってたな。だから、エクセリオンの警備を手薄にすることができないって)
それに、このエクセリオンはそういう事態があるから、巨大な壁があるのだ。
ある意味この事態はエクセリオンの人々にとって、想定の範囲内のことに違いない。
しかし、ならばなぜ王はわざわざ皆を集めたのか。
「リーシャの言う通り、魔物が攻めてくるのには違いない」
と、空の疑問に答えるかのようなタイミングで、言葉を放つ王。
彼は「けれど」とため息交じりに呟き、さらに言葉を皆へと続けてくる。
「密偵によると、今回は規模が違うようじゃ。現に魔王城では未だなにかの準備をしており、進軍の気配はないようじゃ……つまり」
「当分は安全ですけど、向こうの準備が整えば、これまで以上の攻撃にさらされる……そういうことですね?」
と、そんなリーシャの言葉に頷く王。
王はそこで一旦間をあけたのち、空達へと言ってくるのだった。
「時がくれば声をかける……その時は力を貸してくれるか? 勇者と、その仲間達よ」




