第二百二十三話 空と仲間達と王様と
時は騎士達がやってきてから数十分後。
場所はエクセリオンにある城――その王の間。
「以上が事の顛末です」
と、リーシャはこれまでの出来事を王へと語り終える。
要するに。
現在空達は王の前で跪き、アニメでよくある謁見的なことをしていたわけである。
最初、空はものすごく緊張していたのだが。
「おうおう、それは大変だったのう……リーシャよ、そして勇者達よ、怪我はないかの?」
とまぁ、王様はそんな近所の優しそうなおじいさんみたいな人だった。
故に今では空の緊張はすっかりほぐれ――。
「はい、リーシャが僕の怪我を治してくれたんで、今はすっかり。それより、騎士団長達を助けられなくて、申し訳ありません。僕がもっと早く敵を倒していれば――」
「たらればはよい。勇者が現れ、リーシャを連れ帰ってくれただけでも、おぬしの功績は大きい……しかも地下街道でデーモンを討伐したとなれば、英雄並みの働きじゃ」
と、言ってくる王。
彼は更に続けて空へと言ってくる。
「となれば当然褒美の話じゃが、なにか欲しいものは――」
「お菓子! シャーリィお菓子がたくさん欲しい!」
「ちょっ――あんた何考えてんのよ! 無礼だと打ち首になるんだからね!」
と、耳と尻尾をぴこぴこ突如言い放つシャーリィ。
そして、それを止める胡桃。
「…………」
胡桃の言い分もそれなりに無礼だ。
そう思うのは、空の気のせいだろうか。
などなど、空がそんな事を考えていると。
「はっはっは! うむうむ、では獣人の少女……シャーリィといったな? おぬしには職人たちに作らせた至極の菓子をたくさん送ろう」
と、実に寛容な王。
彼は空と胡桃を順に見たのち、続けて言ってくるのだった。
「おぬし達は何がよいのじゃ?」




