第二百十七話 空は地下街道を抜けてみる
さて、時は胡桃の機嫌がなおった頃。
空達は現在――。
「地下街道を抜けました! エクセリオンへはもうすぐです!」
「んぅ~~~~! やっぱりジメジメしないのが好きだ!」
「なんだか、久しぶりに太陽を見た気がするわね!」
と、言ってくるのはリーシャ、シャーリィ、そして胡桃である。
空はそんな彼女達へと言う。
「お疲れ様、みんなのおかげで無事に地下街道を突破できた。僕に協力してくれて、本当にありがとう!」
「あ、あの!」
と、言ってくるはリーシャである。、
彼女はたたっと空の前へと回り込み、言葉を続けてくる。
「お礼を言わないといけないのはわたしです! クウ様、協力していただきありがとうございました! そして――」
リーシャはそこで胡桃とシャーリィを順にみる。
その後、彼女は頭を深く下げたのち言う。
「クルミ様も、シャーリィ様も……本当にありがとうございます! 皆様がいなければ、わたしはきっと――」
「はいはいそこまで」
と、リーシャの言葉を断ち切るの胡桃である。
彼女はリーシャの肩をポンポン叩きながら言う。
「別にあたしはあんたに協力したわけじゃないし……っていうか、勇者の力だかなんだかが手に入らないなら、そもそもこんなところになんか――」
「クルミが照れてる!」
と、すかさず言うのはシャーリィである。
彼女は胡桃へと言葉を続ける。
「シャーリィ知ってる! クルミはツンデレって言うんだ!」
「は、はぁ!? 誰よそんなこと言ったの!」
「シグレ! クルミはツンデレの魔女だから、クーを守らないと危険だって言ってた!」
「っ! あたしはツンデレなんかじゃないんだからね! 勘違いしないでよね!」
などなど、途端に騒がしくなるシャーリィと胡桃。
きっと、地下街道を出たのがよほど嬉しいに違いない。
もっとも、空だってようやく地上に出れて嬉しいわけだが。
「あの、クウ様」
と、空の袖をくいくいリーシャ。
彼女は笑顔で空へと言ってくるのだった。
「改めてですが、ありがとうございました!」




