第二百十三話 空は太古の魔物を倒してみる③
「聖天魔法 《エクスカリバー》!」
直後、空の手から放たれたのは巨大な光の剣。
それは凄まじい速度でエンシェントデーモンへ向かっていき。
…………。
………………。
……………………。
訪れる静寂。
しばらく続いたそんな時間の後。
エンシェントデーモンは地面へゆっくり倒れるのだった。
その胸に光の剣を抱きながら。
その瞬間。
空の周囲でとある異変が起きた。
それは。
「クー! 小型のデーモンが消えてく!」
「なるほど、ボスを倒したら雑兵は消える仕組みってわけね!」
と、聞こえてくるシャーリィと胡桃の声。
ようするにこの戦いは完全に終わったようだ。
空達の勝利。
そんな完璧な終わり方で。
「一時はどうなるかと思ったけど、本当に、よか……った――」
言葉が続かない。
空がそう考えた直後。
「ゆ、勇者様? 勇者様!」
「え、なに!? どうしたのよ、空!」
「クー! 血がいっぱい出てる! 死んじゃ嫌だ!」
聞こえてくるリーシャ、胡桃、そしてシャーリィの声。
空の意識はそんな三人の言葉を聞きながら、闇に落ちていくのであった。




