第二百七話 空と太古の魔物②
「僕はこいつを倒す」
言って、空は魔法 《ブラックスミス》を使い片手剣を作り出す。
そしてそのまま、エンシェントデーモンへと駆けだす。
もちろん、道中可能な限り小型デーモンを倒すことも忘れない。
(倒している感じ、小型デーモンはたいしたことない。これなら胡桃とシャーリィでも十分に対処可能だ……問題は)
エンシェントデーモンである。
空の直感だが、この魔物は――。
(いや、今はとにかく試してみる時だ!)
空は目の前に居た小型デーモンを踏み台に跳躍。
エンシェントデーモンの頭部へと斬り込んでいく。
しかし。
「ぐっ!?」
次の瞬間、空の身体は地面へと叩き付けられていた。
何とか受け身は取ったが――。
と、その時。
空の頭上に影が差す。
エンシェントデーモンが、空を踏みつぶそうとしているのだ。
空はすぐさま横に転がりそれを躱す。
けれどその直後。
エンシェントデーモンの足を踏み下ろした場所。
そこが凄まじい熱量を伴う、大爆発を起こしたのだ。
「っ……この距離は!」
このままでは躱すことが出来ない。
そして薄々わかってはいたが。
(やっぱりこの魔物……僕より――)
直後、空が居た場所を爆炎が覆うのであった。




