第二百五話 空と地下街道の……
時は休憩を開始してからおよそ一時間後。
リーシャの体力がある程度回復したようなので、一行は出発することになった。
そして現在。
「もう少しです! あと二時間ほどで地下街道を抜けるはずです!」
と、言ってくるのはリーシャである。
それに対し、胡桃とシャーリィが順に言う。
「ようやくね、この地下街道どれだけ広いのよ?」
「次はもうここ通りたくない! やっぱり尻尾がジメジメする!」
両者の意見は空も同意である。
ジメジメして長い道のり。
さらには時折魔物も出るおまけつき。
(でもまぁ、僕の《道具箱》を使えば次からはショートカットできるしね)
ここを通るのはおそらくこれが最後。
楽しんでおこう……というのは変だが、なるべく記憶に刻んでおこう。
と、空がそんな事を考えたその時。
周囲を凄まじい揺れが襲う。
「な、なによこれ!?」
「地震ですか!?」
と、聞こえてくる胡桃とリーシャの声。
暗い場所での地震。
(また床が抜けて落下とかは、本気で勘弁して欲しいんだけどな……)
空はそんな事を考えながらも、精神を集中させる。
それは無論、何が起きてもすぐに皆を助けられるようにで――。
「クー! 地震じゃない……なにか、なにか大きいのが……」
と、空の思考を断ち切る様なシャーリィの声。
その直後だった。
空達の真下の地面が盛り上がり、爆散したのは。




