第二百二話 空は地下街道で休憩してみる②
「ポテトチップス……それはいったいどんなものなのですか?」
と、聞こえてくるのはリーシャの声である。
空はそんな彼女へと言う。
「当然といえば当然だけど、リーシャはポテトチップスもサイダーも知らないよね」
「は、はい……ポテトということは、やはり食べ物なのですか?」
「うん、僕達の世界のお菓子だよ。シャーリィはこの世界の住人だけど、ポテトチップスが好きになってくれたから、きっとリーシャも気に入るとおもうよ」
「当然です! 勇者様が勧めてくれるものを、嫌いになるわけがありません!」
と、お祈りモードに入ってしまうリーシャ。
空はそんなリーシャを見て苦笑しながら、彼女を再度促す。
だがここで一つ、彼は心配な点があった。
(リーシャって聖女様だから、ポテトチップスとかそういうジャンクフード系って、ひょっとしたら嫌いかもな)
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結論から言うと、空はリーシャを汚してしまった。
つまりどういうかと言うと……。
「こ、これがポテトチップス……!」
と、聞こえてくるのはリーシャの声である。
彼女はポテトチップスを次々口に放り込みながら、空へと続けてくる。
「油っぽくて、塩っけが強くて……まるで健康を考えていない味です!」
「そ、そうだね……ジャンクフードだからね」
「食べる度に、身体のバランスを崩されていく気がします!」
「う、うん……ジャンクフードだからね」
「でも美味しいです! 背徳的な感じが、より一層美味しさを際立たせます!」
「…………」
リーシャはポテトチップス一袋、全て一人で食べきった後。
「勇者様! この様な食べ物は他にないのでしょうか!?」
キラキラと瞳を輝かせ、そんな事を言ってくるのだった。




