第二百一話 空は地下街道で休憩してみる
時は空が休憩を提案してからすぐ。
場所は地下街道の端。
現在、空は《道具箱》の中から胡桃のリュックを取り出し、休憩の準備を進めていた。
といっても、シートを敷いて、その上にお菓子などをならべるだけなのだが。
とまぁ、そうこうしているうちに。
「はい、準備完了。もうあがって大丈夫」
「もうあがって大丈夫……じゃないわよ!」
と、言ってくるのは胡桃である。
彼女がむっとした様子で、空へと続けてくる。
「シートとお菓子を用意したのはあたしなんだから、お礼をいいなさいよね!」
「わかってるよ、胡桃。本当にありがとう、胡桃は気が利くしとっても優しくて――」
「ちょっ! もういいわよ、バカ! わかったからもうやめなさいよね!」
「?」
「ふ、ふん! 察しなさいよね、このバカ!」
などなど、胡桃はシートの上に一人上がって行ってしまう。
空はそれを見たのち、残るシャーリィとリーシャへと言う。
「二人もあがって。ポテトチップスとか、サイダーとかシャーリィが好きなお菓子もたくさんあるよ」
「ポテトチップス! シャーリィはバーベキューが好きだ!」
と、ぴょこぴょこシートに乗るシャーリィ。
一方のリーシャはというと。
「ポテトチップス……それはいったいどんなものなのですか?」
ぽーっとした様子で、一人そんな事を呟いているのだった。




