表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/612

第十九話 空と異世界転移狐娘の謎

 場所は変わらず東京日本、ヒーロー養成学校寮の空の部屋。

 時はシャーリィがこの世界にやってきてから十数分後。


「と、こんな感じなんだけど」


 空は現在に至るまでに、シャーリィに彼女の現状について説明していた。

 それらをまとめると、こんな感じである。


●この世界は『地球』という名称で、シャーリィが居た『ファルネール』ではない。

●シャーリィが地球に来れた理由は空の異能《道具箱》のせいである。

●実は空は地球人であり、ファルネール人ではない。


 他にも、地球では獣人や魔物が存在していないこと。

 などなどの細かいことを説明した。


 さて。

それを聞いたシャーリィの第一声が。


「へー……それより、クー! これから何して遊ぶんだ?」


 と、早くも話を逸らしてくるシャーリィ。

 空はそんな彼女へと言う。


「ちょっと待った! え……シャーリィ、ひょっとして信じてない?」


「異世界転移ってやつの話か? もちろん信じてるぞ! 実際、シャーリィは変な歪みみたいのを通ったからな! それに、クーの話ならなんでも信じる!」


「驚いたり、焦ったりしないんだ……」


「その必要がない! シャーリィはクーが居れば安心なんだ!」


 と、正座したまま尻尾をふりふりシャーリィ。

 彼女はさらに続けてくる。


「クーは驚いたり、焦ったり……不安そうなにおいがする! シャーリィがここに居るのが迷惑じゃないなら、どうしてそう感じてるんだ?」


「僕は……」


 空が不安なのは自らの異能に関してである。

 ここに来て、その能力の詳細がわからなくなったからだ。


「さっき説明した僕の異能で作り出したゲートなんだけど。ゲートは僕と僕の持ち物しか通さないはずなんだ……」


 これを簡単に表すとこんな感じだ。


 空が文房具屋で購入したシャーペンをA。

 空が友達から借りたシャーペンをB。


 Aをゲートに向かって投げると、それはゲートを通過し向こう側の世界に行く。

 一方、Bをゲートに向かって投げると、弾き返されてしまうのだ。


 要するに重要なのは所有権の問題だ。

 空の所有物でなければ、ゲートは絶対に――。


「クー! そんなの簡単だ!」


 と、空の思考を断ち切り言ってくるシャーリィ。

 彼女はベッドの上にちょこんと座り、尻尾をふりふり言ってくる。


「シャーリィはクーの奴隷だ! シャーリィはクーのものだから、ゲートを通れたんだ!」


「そんなわけ――」


「シャーリィの心も体も、クーのものなんだ! これでそれが証明されて、シャーリィはとっても嬉しい!」


「わ、ちょ――っ!? 急に抱き着いてきたら危ないよ!」


 空は飛びついてきたシャーリィの頭を撫でながら考える。


(シャーリィの言ったこと、理屈としては筋が通ってる。まぁ詳細条件はわからないけど……)


 それは今考えても仕方のないことに違いない。


(今日はせっかくだから、シャーリィをおもてなししよう)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 嫌なら捨てろよ。うざい
2019/11/19 07:53 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ