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一億円当たったから彼女とだらだらしてみる。  作者: 西順


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ハンズアップ

 22世紀は超能力の世紀と言われている。

 21世紀末、超能力の開発に成功した人類。しかしそれは新たな火種を生むことになった。

 超能力者同士による小競り合いは、紛争へと発展し、近く戦争になるだろうという事態になって、ようやく国連により超能力の対人使用の禁止条約が全会一致で採択された翌年、第3次世界大戦が勃発、そこに超能力部隊が大量に投入され、条約は軽々と反古にされたのだった。

 戦争は血で血を洗う凄惨なものとなり、一時100億人を越えていた世界人口は、この戦争後にはその99.5%を失っていた。

 事ここに至り、人類は失ったものの大きさを痛感し、その原因を人類史より排斥し、世界をあるべき姿に浄化するべく、過去に、ある人造人間を送り込んだ。


「な、何故俺にそんな事を話すんだ?」


 太郎を真っ直ぐに見詰めながら、譲は滔々と未来の話をする。


「何故? ですって? もう分かっているんじゃない? 私がその人造人間、コードネーム『KANOJO』よ!」


 譲はそう言って後ろ手に隠していた拳銃M1911コルト・ガバメントを太郎に突き付ける。


「な!? 嘘だろ!?」


 銃を突き付けられながらも、すがるような目を譲に向ける太郎。


「黙りなさい。あなたが将来開発する超能力発現細胞『KARESHI-sell』通称『彼氏細胞』によって一体何十億人が犠牲になったことか」


 太郎を黙らせ、銃を突き付ける譲の目は真剣だ。しかし太郎は余裕の笑みを見せる。


「はは。冗談が過ぎるぜジョーちゃん」

「なんですって?」

「ジョーちゃんが持つガバメントは1911と言われている通り、1911年米軍に制式採用された古い銃だ。確かにいまだに現役の名銃だが、それが100年後も使われているとは思えないな」

「確かに。見た目はアンティークね。でも、中身も見た目通りかしら?」


 譲の言に太郎の笑みがひきつる。


「くっ、それで俺を殺すのか?」

「いいえ。この銃の本当の名は『リア銃』」

「『リア銃』!?」

「この銃であなたをウエーイなおサルさんにしてあげるわ!」

「い、嫌だ! ウエーイなおサルさんになるなんて。俺は知的なホモサピエンスでいたい!」


 カチッ


 引き金は引かれたが、弾は発射されなかった。が譲の顔は満面の笑みだ。


「どうどう? 今の良くなかった?」

「いや、迫真の演技だったよ。途中ホントに未来から来たのかと思っちゃったよ」

「でしょ? 考えるのに3日掛かったからね」

「3日? すげえな。その話を3日で考えられちゃうなんて」

「いやぁ、それほどでも……あるかも」


 満更でもない譲だった。


「さてと」


 そう言ってもう一度エアガンを太郎に向ける譲。


「ハンズアップ! フリーズ! ドンムーブ!」


 ごちゃごちゃ多いな。と思いながらも言う通り手を挙げる太郎。


「オーケー。クラップユアハンズ!」


 ええ!? と思いながらも頭の上で手を叩く太郎。譲はご満悦だ。


「オープンザドア!」


 言われた通りリビングのドアを開けるが、そうではなかったらしい。譲は太郎に銃口を突き付けながら、更に向こう、玄関のドアを顎で指し示している。

 指示された通り太郎が玄関のドアを開けると、やっと譲は靴箱の上に銃を置いた。ホッとする太郎。


「オーケー。レッツゴーデート!」


 言って太郎に腕を絡めて外へ連れ出す譲だった。


「デート行きたかったのねえー」

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