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一億円当たったから彼女とだらだらしてみる。  作者: 西順


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男四人飲み会(ゲーム多め)

 枯石 太郎は追われていた。

 針葉樹の鬱蒼と生い茂る林野を全力で走っているが、しかしその馬力には圧倒的に差があった。

 エンジン音を轟かせ、悪路をものともしないそいつは、猛スピードで迫って来ていた。

 軍用ジープのオープンカーの運転席から、奴の構えるM416の銃口が枯石に向けられる。

 とっさに横に飛ぶ枯石。と枯石がいた場所がM416の5.56ミリ弾で蜂の巣になり、更にはジープがそこを駆け抜けて行く。

 危なかった、と冷や汗を拭う暇もなく、ジープは切り返しで180度反転すると、また枯石目掛けて突進してきた。

 執拗に枯石を追い詰めるこの男の名は、叶野 也哉。枯石の恋人、叶野 譲の弟だ。

 襲い来る叶野の銃弾とジープの突進を、寸での所でかわした枯石は、ただ襲われるのを享受する程甘い男ではなかった。

 過ぎ去ったジープが切り返しをする所を狙って手榴弾を投げ込む枯石。

 それに気付いた叶野が、直ぐ様ジープから飛び降りる。


 ドンッ!


 ジープを破壊する程の爆発を、なんとか回避した叶野に向けて、枯石のAK47が撃ち込まれる。それを横に回転してかわす叶野。

 かわし様にM416を構えた叶野は、腹這いになりながら枯石に向けて銃を撃ち込む。

 しかし互いのアサルトライフルでの銃撃では決着が着かず、弾切れにより勝負はハンドガンに移った。

 互いにMk23とM92を撃ち合いながら接近する二人。

 その距離は互いが組み合える一歩前まで接近し、そこで弾切れとなる。睨み合う両者。

 先に動いたのは叶野だった。銃を捨ててナイフを取り出し、枯石を突き刺しに掛かる。

 が、枯石は冷静だった。叶野を見据えたまま後退しつつ、素早くマガジンを交換すると、12発の弾丸を確実に叶野のその身に撃ち込んだのだ。

 勝負はそこで決まった。


「ぐわあああ! まっけったあああ!」


 頭を抱えて悔しがる也哉。


「いやぁ、ギリギリだったぜ」


 太郎が緊張からきていた額の汗を拭う。


「何ですか、この別次元の戦い」

「構うな。こいつらと俺達じゃ、懸けてる時間が違う」


 真樹と真友が呆れている。前回の飲み会同様、今回もまた同じ居酒屋で同じゲームをしていたのだが、違う所が一つある。譲の弟、也哉がいる事だ。


 三人が待ち合わせていた駅前にたまたま通り掛かった也哉。

 それに気付いた太郎としては、多少の迷いがあった。声を掛けていいのかどうかである。

 太郎が見かけた時にはまだ也哉はこちらに気付いていなかったし、おそらく友人だろう数名と一緒にいたのだが、駅でそのグループは解散となった。

 そして一人になった也哉と目が合ったのだ。


「や、やあ」

「どうも」


 正月以来の再開はなんだか微妙な空気が流れていた。

 声を掛けたのだから誘わない訳にもいかないだろう、と一応誘ってみると、すんなり飲み会に付いてくる也哉だった。

 居酒屋までの道程で訊けば、也哉は今、大学三年で21歳だそうだ。

 年始にゲームの話で盛り上がったので、もしやと思い件のガンシューティングゲームを持っているか訊けば、今まで友人達とそのゲームをしていたと言う。それは良い。と四人でゲームをしてみれば、太郎並の腕前だったという訳である。


 そして今、前回と同じガンシューティングゲームは最高潮に盛り上がっていた。

 最初は四人でのソロプレイで対戦していたのだが、それでは戦力差がありすぎるという話になり、2対2のバディ対決をする事に。

 太郎・真樹チーム対真友・也哉チームの対決となり、更にはリーダーを真樹、真友にして二人が倒れたら負け。という縛りルールが、戦況を熱くさせた。

 今までは自身の裁量でどうとでも出来ていた太郎、也哉だったが、他の二人が枷となって本領が発揮出来ない。

 それとは代わって真樹、真友は優秀なボディーガードを付けたようなもので、自由に動けるし、危なくなっても弾除けになってくれる人がいる。

 これによって真友が太郎を、真樹が也哉を倒すというジャイアントキリングが度々起こる事となり、かなりの熱戦が数ゲームは続いた。

 が戦況はまた変わろうとしていた。理由は年齢差である。

 太郎・真樹チームは太郎の方が年上であり、真樹は太郎の言う事を良く聞く。つまりボディーガード側に主導権(イニシアティブ)があるのだ。

 対して真友・也哉チームは真友が年上、しかも初対面と言う事もあり、どうしても真友の言う事やる事が優先される、所謂、接待プレイになってしまった。

 結果、実力的には同等だったはずの両チームだったが、船頭が優秀な太郎・真樹チームが勝利を重ねていく事となった。


「だあー、もうやめだ! 終わり! 解散!」


 自分が勝てなくなってきた事で癇癪をおこした真友によって、本日の飲み会はお開きとなった。


「普段からこういう飲み会してるんですか?」


 なんだかんだ楽しんだ也哉が上着を着込みながら尋ねてくる。


「いや、今日はホワイトデーのお返しを何にするかの相談会だ」

「え?」

「え?」


 聞き返す也哉に自分の発言で固まる太郎。見れば真友も真樹も固まっている。


「じゃあ、明日もここで」

「だな」

「ですね」

「俺も混ざっていいですか?」


 強く頷く三人がいた。

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