まよいが
己と出会えと言いたげに、その家は目の前に現れる。
秋月正彦は、いつの間にか知らない道に迷い込み、古い日本家屋を使用した店にたどりついた。
井上香澄は親が決めた道を進んでいることに不満を持ち、けれど親は自分のためを思っているからと反発できないでいた。
宇梶和彦は自分が優秀だと自負していたが、劣っていると思っていた相手が先に就職の内定をもらっている事実に衝撃を受けた。
江田元子は後輩たちの勝手な「八方美人」などの評価に傷ついた。
乙若は屋敷の中から、人が生きてはいられない長い時間を、人として過ごす自分にほほえんで、新たな来客を迎えるために玄関へと向かう。
秋月正彦は、いつの間にか知らない道に迷い込み、古い日本家屋を使用した店にたどりついた。
井上香澄は親が決めた道を進んでいることに不満を持ち、けれど親は自分のためを思っているからと反発できないでいた。
宇梶和彦は自分が優秀だと自負していたが、劣っていると思っていた相手が先に就職の内定をもらっている事実に衝撃を受けた。
江田元子は後輩たちの勝手な「八方美人」などの評価に傷ついた。
乙若は屋敷の中から、人が生きてはいられない長い時間を、人として過ごす自分にほほえんで、新たな来客を迎えるために玄関へと向かう。
秋月正彦
(おかしい。そもそも、こんなに広い場所が近所にあったか)
2018/06/22 16:05
(どうして恵子が……死んだはずの妻が、ここにいるんだ)
2018/06/23 16:00
「もうすこし、あなたにかまってほしかった」
2018/06/24 16:00
「先に惚れたのは、俺だったなぁ」
2018/06/25 16:00
井上香澄
「こんな家、まだ存在してたんだ」
2018/06/26 16:00
(私……あれ? なんで……どうやってここまで来たんだっけ)
2018/06/27 16:00
「香澄は、自分と会話をしてみてる?」
2018/06/28 16:00
(ええと私、どこに行こうとしていたんだっけ)
2018/06/29 16:00
宇梶和彦
(俺があいつらよりも劣っているなんて、ありえない)
2018/06/30 16:00
(いま俺は、なんて思った?)
2018/07/01 16:00
(なんでだよ……なんで俺は、覚えていないんだ)
2018/07/02 16:00
(俺は、俺を生きていなかったんだ)
2018/07/03 16:00
江田元子
(どうして今日にかぎって、聞こえてくるんだろう)
2018/07/04 16:00
(私って、めんどくさい)
2018/07/05 16:00
(どうしよう。どうすればいい――?)
2018/07/06 16:00
(臆病者なんだ、私)
2018/07/07 16:00
乙若
(ううむ、これは――あやかしの屋に入ってしまったか)
2018/07/08 16:00
(私は、ああ……私はいままでなにをしてきたのか)
2018/07/09 16:00
(私は、人だ)
2018/07/10 16:00
(私の望みは……深い場所にある、唯一の望みは)
2018/07/11 16:00
(これこそが、私が求めていたものだ)
2018/07/12 16:00