ダンジョン編1ー3
「ああ、ここは」
目を覚まして、ダンジョンの部屋に戻っていることを確認した俺は、アイテムボックスの中にアレがないか、探して…見つけた。
ス○パースター (神)
一定時間無敵化 (168時間)
※ダンジョン50階層ボス、レッドドラゴンの前にあるセーフティエリアまで有効。
※使用中は、クラスチェンジ不可。
とりあえず、夢ではなかったことを実感した。
そして、このダンジョンから生きて、出られる可能性ができた。
俺は、無敵アイテムをそのまま使わず、一度、アイテムボックスに収納した。
今すぐには、使わない。
神様の言ったことが正しいなら、俺は1週間以内で40以上の階層を進まないといけないことになる。
つまり、最低でも1週間以上は、ダンジョンの中で、俺は生活しないといけない。
食糧や水、それ以外にも、いろいろと準備をしなければいけない。
まずは、それらを用意しないと……
一度、全MPを使って必要なものをいくつか生成した俺は、MPが全回復するまでの間に、次のことを考えた。
俺が今いるここは、ダンジョンの中で、しかも、最下層だということだ。
単純に、無敵アイテムを使って、走るだけで大丈夫なのか?
そう考えた俺は、以前、使おうと思っていたスキルポイントで、何かダンジョン内で使えるスキルを取得出来ないか、調べてみた。
結果、3つのスキルを取得した。
1つは、索敵 (消費スキルポイント10)
敵 (魔物)の位置を知ることができる。
2つめは、マッピング (消費スキルポイント5)
一度行った場所は、このスキルの地図に記憶される。
…これで、迷子になる心配がない。
3つめは、罠感知 (消費スキルポイント10)
ダンジョンイコール罠、このスキルで少しでも罠を回避していきたい。
そして、全ての準備が終わってから、1回寝ることで、体力、気力を回復した俺は、無敵アイテムを使用して、部屋から出た。
今の俺のステータスは、
名前 田中太一
種族 人間 (異世界人)
職業 見習い生成付与師
Lv.1
(無敵状態 残り時間167:59)
HP 200
MP 500 (250×2)
筋力 70
頑丈 60
魔力 80
速さ 70
スキル (スキルポイント残り3)
鑑定
アイテムボックス
生成
生成付与
索敵
マッピング
罠感知
♪〜♪〜
ゲームでも流れていたBGMが、実際に聞こえて、俺の体も光っている…
それを、確認した俺は、
「うおぉぉぉぉ」
大声で叫びながら、走った。
……索敵に反応有り
前方に一匹のゴブリンを見つけた。
見るだけで、分かる。その圧倒的な強さが…
「うおぉぉぉぉ」
俺は再び、大声を出して、ゴブリンに向かって体当たりするようにぶつかった。
ポコン
「グギャャャ!!」
「…へ?」
俺の体に、ゴブリンが触れた瞬間、軽い音とともに、ゴブリンがぶっ飛んだ。
そして、そのままゴブリンは消えて、代わりに石がその場に残った。
あまりの呆気なさに、少しの間、立ち止まってしまったけど、すぐに落ちている石を拾って、鑑定してみた。
魔石 (大)
いわゆる、ドロップアイテムだろう。
俺は、魔石をアイテムボックスに収納すると、再び、走り出した。
その後も、
敵発見→倒す→アイテム拾う→敵発見→倒す→アイテム拾う→罠発見→回避→敵発見→倒す→アイテム拾う、の繰り返しで、
しだいに、ドロップアイテムを拾うことが、面倒になった俺は、少しでも、手間を省くために、レベルアップして増えたスキルポイントを使って、スキルを1つ追加した。
コレクション (ダンジョン限定) (消費スキルポイント10)
倒した魔物からのドロップアイテムを、指定したところに集める。
このスキルを使って、ドロップアイテムを、直接アイテムボックスに入れるように指定した。
これで、後は魔物を倒して、上に進んでいくだけだ。
1週間、俺は走り続けた……