ダンジョン編1ー1
「う、う〜ん、ここは、どこだ?確か俺は…」
冷たい床の上に寝て?いた俺は、目を覚ましてから、とりあえず、何があったのかを思い出していた。
確か…イケメン?野郎に呼ばれて…帰ろうとしたら、あいつに斬られそうになって…
その後どうなった?…分からないな
そして、今、自分がどこにいるのかも、分からなかったので、部屋?内を見渡していると、
「うわっ!」
驚いた!俺の丁度、真後ろにある壁の前に、高そうなローブとその中から、白い骨が見えた。
「死体…なのかな?」
全く動かない様子を見て、俺は、緊張しながら近づいていき、確認してみた。
白骨化した死体だな
確認できた俺は、悪いと思いながら、ローブの中に何かないか探した。この場所のヒントでもないかと思いながら…
…お!数枚の紙を見つけた。この紙、城で読んだ本と同じで、魔力によって、風化、虫食い予防がしてあるみたいだ。
俺は、さっそく見つけた紙を読んでいた。
…書かれていた内容は、半分以上が、この (たぶん?)爺さんの王族に対する愚痴、悪口だった。
…どうやら、爺さんは、謁見前の待機部屋だと騙されて、ここに転移されたらしい。バカなのか?
そして、俺達を召喚した国は、近隣諸国からはものすごく評判が悪い国らしい。
それ以外は、この場所?部屋?の情報と、所持している装備品の情報が書かれていた。
何でも、この場所は、王都の近くにあるダンジョンの中で、この部屋は、最下層にあるセーフティエリアの1つらしい。
とりあえず、ここに居れば、魔物に襲われる心配はないらしい。
そして、この紙を読んでいる人物に、所持している装備を使ってほしいと書いてあった。
この爺さんが所持していた装備品で、俺が欲しい装備は、1つだけだった。
大地の腕輪
装備者のMPを2倍にする。
MP自動回復
これ以外の装備品は、全部魔法関係だった。
…俺、魔法使えないから必要ない…しゅん
大地の腕輪を装備した俺は、爺さんを遺体ごとアイテムボックスに収納した。
さて、これから、どうしようか考えていると、
タッ、タッ、タタッ
足音が聞こえてきた。
もしかしたらと、俺は部屋の中から、外の通路を眺めていた。
この階層にいる魔物が通るかも知れない。
そして、実際に魔物が部屋の前の通路を横切った。
俺は、鑑定をしたが、その前に、魔物を一目見ただけで、感じた。
あれは、今の自分よりも圧倒的強者であると、
あいつ…そう勇者、そいつ以上じゃないか?と予想しながら、鑑定結果を見ると、
名前
種族 ゴブリンエンペラー
Lv.400
HP 1500
MP 450
筋力 1200
頑丈 800
魔力 400
速さ 1100
………は?
鑑定結果を見た俺は、固まった。
………無理だ。
明らかに強さの次元が、今の俺のステータスと文字通り桁が違った。
どれくらいの時間、ただ呆然と立っていたか分からないけど、体は正直だったと答えよう。
グゥ〜〜
あ!
自分の腹の音に気付いた俺は、とりあえず魔物のことは、忘れて、飯を用意し始めた。
スキル発動
俺は、スキルを使って、食べ物と飲み物を出した。
コン○ニ弁当 (消費MP80)
た○の炭○水 (消費MP40)
「いただきます」
こうして、俺は1人、ダンジョンの中で、食事をした。
食べ終わったゴミは、アイテムボックスに入れた俺は、少しだけ、考える余裕ができていた。
これからどうするか、解決策を出すためには、情報が足りない。
今、俺のいる部屋は、正確にはダンジョンの何階層なのか、あのゴブリンはこの階層では、どれぐらい強いのか……
俺は、悩んでいると、ふと、スキルポイントが残っていることを思い出して、ステータスを見た。
名前 田中太一
種族 人間 (異世界人)
職業 見習い商人
クラスチェンジ可能 (チェンジ可能職2つ)
Lv.10 (Max)
HP 190
MP 380 (190×2)
筋力 65
頑丈 55
魔力 60
速さ 60
スキル (スキルポイント残り18)
鑑定
アイテムボックス
生成
うん?
クラスチェンジ先が1つ増えている?
詳しく見てみると、
商人 (条件、Lv.Max)
見習いを脱して、商人と名乗ることができるようになる。
スキル生成、消去。計算、交渉、取得。
見習い生成付与師
(条件、Lv.Max、MP150以上、生成を1回以上使用すること)
自ら生成したものに、特殊な効果を付与することができる職業。ただし、見習いなので、1つだけしかできない。
スキル生成付与、取得。
スキル生成がなくならず、しかも、特殊な効果を付与できる。
……よし。商人になるつもりはなかったから、こっちにクラスチェンジしてみよう。
結果、
名前 田中太一
種族 人間 (異世界人)
職業 見習い生成付与師
Lv.1
HP 200
MP 500 (250×2)
筋力 70
頑丈 60
魔力 80
速さ 70
スキル (スキルポイント残り28)
鑑定
アイテムボックス
生成
生成付与
う〜〜ん、とりあえず、クラスチェンジしてみたけど……
再び、どうするか悩んでいると、
ドシン、ドシン、ドシン
床が揺れるほど、強く大きな足音が聞こえてきた。
また、魔物が通るのか……!
俺は、憂鬱な気分になったが、すぐにあることを思いついた。
さっそく、試してみよう。
俺は、空になったペットボトルをアイテムボックスから出して、スキル生成付与を発動!
すると、
た○の炭○水 (空) (消費MP40)
MP爆弾 (消費MP100)
何かに当たると消費したMP分の威力をもった爆発がおこる。
鑑定して、付与が成功したことを確認した。
そしたら丁度、魔物が横切っていった。
今度の魔物は、デカいゴブリン?
横切ったゴブリン?以外の魔物が近くにいないか、部屋から少しだけ出て、確認してから、背を向けているゴブリン?に、ペットボトルを投げた。いけぇ!
ドカァァン!
やった!
部屋の中から、爆発音を聞いて、まずは、きちんと、効果が付与されていたことに喜んだ。
そして、爆発の結果が知りたくて、部屋から顔だけを出して、煙の中にいたゴブリン?を見つけて、鑑定した。
名前
種族 オーガエンペラー
Lv.420
HP 2599 (2600)
MP 500
筋力 3000
頑丈 2800
魔力 500
速さ 1000
デカいゴブリンではなく、実は、オーガでした。
この鑑定結果を知った俺は、すぐに部屋の奥に隠れるように、素早く移動した。
オーガかよ!しかも、さっきいたゴブリンよりもステータスがヤバすぎるじゃん。
え?もしかして、さっきのゴブリンは、ここでは、実は、ザコでしかなかったとか?
ヤバい。バケモノしかいないのかここは……
しばらくして、はぁ、とため息を出しながら、オーガのことは忘れて、付与のことだけを考えようと俺は切り替えることにした。
その付与についてだが、
実際に発動して、感じた可能性だけど、付与の内容は消費MPさえあれば、ある程度自由なのではないか?
俺はそう思うようになっていた。
そして、俺は転移前の世界の知識を使って、1つのアイテムを生成しようとした。