表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/9

(2)ギルマス

後ろからゲシゲシ蹴られながら、オネェ(漢)の案内でここの最高責任者の部屋に向かっています。

皆さん、おはこんばんちわ山田太郎です。


こうなる前に確認しなさい!と怒られ(蹴られ)ながら進んでいるんですが、若干オネェ(漢)さんが引いているのは気のせいでしょう。


オネェ(漢)が急に立ち止まりノックをする。


ぶつかりませんよ?

扉にもオネェ(漢)にも。

勿論、いまだに蹴られてますが……何か?

扉には『ギルマスのお部屋』(最初と最後にハートマーク付きで)と書かれた札がかかっています。



「マスター、入るわよ?」



『うむ』



悪い予感しかしないのは気のせいじゃないよね?


「失礼しま~す」


元気良く入ったその先には……


「良く来てくれた勇者殿。

それも我らが獣人属出身とのこと」



「いいえ、違います」



「またまた~、では後ろの女性が勇者で」



「いいえ、違います」



「………」


ガキン!



いきなりバトルアックスを降り下ろされました。

咄嗟に宝剣を召喚して受け止めてます。

空中で(剣は浮いてます)。



「『バトルフィールド』展開」



空間魔法?ギルマスの特殊能力か魔法具かわかんないけど、いきなり闘技場みたいなトコに飛びました。



「魔王の手先!覚悟!」


「いいえ、違いますって、うわ!」


本当に斧?って聞きたくなるような斬撃の雨あられ。

綺麗な顔が台無しよ?マスター。

はい、ギルマスは女性(暫定)でした。

受付嬢(漢)と同じじゃなくて一安心です。



「久々に勇者かと思ったら!魔王の!手先が!何用だ!」



「世界のバランスをとる為?に来た神(猫)の使者?」



「「何故、疑問形?」」


「魔王側に付いた転生者はいつも綺麗事ばかり並べる!信用出来ん!」



うん。

その転生者達、多分間違ってないと思います。

魔王って、完全に悪者って訳じゃないし。



「ここ最近!勇者が!あまり生まれ!ない!したがって!魔王の!勢力が!増している!

これ以上!魔王の!好き勝手を!許す訳には!いかん!」



「…………」


どうしましょ……

ギルマスの言ってる事もわからなくない分、言い訳が難しいんですけど……



『山田様、サッサと片付けて話を進めてください

(見ていて飽きました)』



ライブラさん、マジ鬼畜!ドS度が急上昇で、下がる気配が皆無です!



「マスター……この子……Mよ?」



ピタっ


「そうか、ではギルドライフをエンジョイしてくれ」



「「えっ?」」



オネェ(漢)の一言で景色が一変、ギルマスの部屋に戻ったと思ったらギルマスは自分の席に座った。


「えっ?何故に?」



「同士に悪は存在しない。

故にギルド活動を許可します」



「いやいや、僕、Mじゃない……」

「はっはっはっ!大丈夫!隠す必要はない!強くなるといたぶってくれる者も少ないからな!わかるぞ!うん!」

「………」


……何一人で納得してるんですか?

勝手に変態の仲間にしないで『山田様はその素質十分です(てかそうです)』………


ライブラさんマジサディスティック……


はっ!


やっぱ僕、M?


マジか……


四つん這いでうなだれいる自分と。

それを蔑むような目で見るライブラさんと。

云々と納得顔のマスターと。

呆れた顔のオネェ(漢)。


一番マトモそうなのがオネェ(漢)って……



解せぬ……




~…~…




納得はいきませんが、無事(?)ギルド登録が済んだので、ひとまず依頼を受けます。

勿論、採取系ですよ。


で、何故受けるかってーと。



『このまま次の場所へ移動すると1ヶ月以内に依頼を受けれず、再度カード取得の手続きをとる可能性があります(山田様は寄り道がお好きなようなので)』



うん、わかってます。

軽いジャブ(嫌味)で済んでいるから、そこまで気にしてないっぽいけど。


あと、


『早速依頼を受けるか?

なんなら戦闘訓練をしてもいいぞ?互いに“受け”を交代で……』

『シャラップ!

マスター?新人にナニ変な事要求してるの?そんなにお望みなら私が再起不能にしますわよ?』

『すまなかった!!』



と言うやり取りもあった(ギルマスでもオネェ(漢)は倒せないらしい)ので、早くこの場を立ち去りたいってのもある。

(てか理由の9割はこれ)



依頼の達成報告はどこのギルドでも可能(勇者の遺物により)なようなので、このまま次の街に移動します。



因みに、受付のオネェ(漢)さんは副ギルドマスターも兼任してて、実質このギルドのトップだったらしい……


そりゃ……誰も逆らえんわな……ギルマスも土下座してたし……




~…~…




早速依頼票を確認して……

確認して……


確認……



何で?

何で採取系がないの?


こんだけモンスター減ってんのに、まだ狩るの?

戦闘好きってどんだけ居んねん!



「山田様……獣人属は先程も申し上げましたが魔法が不得意です

(ほとんど脳筋の一族に採取は無理です)」



ゥワォ、ライブラさん毒舌ぅ~



「あら~ライブラちゃん。それは誤解よ~

確かに戦闘好きは多いけど、採取や発掘の依頼もあるわよ?あまりにも受ける人がいないから受付で預かってるのよ~」



『ライブラさ~ん、乙(漢)女の勘は鋭いのでは?』


『そうでした……』



うっかりなライブラさんもちょっと可愛かったりして。



『人工知能に可愛いとか気持ち悪いから止めて下さい。蹴りますよ?』



うん、いつも蹴ってから事後承諾とるのは止めましょう。

痛くは無いけど、気分的に痛い(快)のよ。



『氏ね』



うん、照れ隠し……って、これ以上ライブラさんを弄ったら命を落としそうなんでやめときます。

(でも可愛いんだけど……)



適当に道中見付けられそうな依頼をチョイスしてサッサと出ます。ギルマスもオネェ(漢)も名前を出すと、また会ってしまいそうなので敢えて聞きませんでした。



次はどこに行こうかな……





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ