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野球と彼女  作者: 青獅子
4/8

ゴールデンウィーク

例のごとく、書いている小説の内容が実際の試合のままですがご了承ください。

4月ももう下旬だ。いよいよゴールデンウィークに突入する。連休中は広島に戻って、マツダスタジアムでカープ戦計6試合を観戦するつもりだ。そしてカープは連休最終盤に神宮球場で試合があるため、俺は一足早く東京に戻る。理由は言うまでもなくヤクルト3連戦を観戦するため。俺は東京に戻る新幹線で「絢音ちゃんに会えるかな・・・」と車中、思った。


ゴールデンウィークは広島に帰省していた。金曜日の夜行バスで広島に戻り、土曜日から6日連続でマツダスタジアムの阪神戦と巨人戦を観戦。6連戦後の金曜日の朝、新幹線で東京に戻ってそのまま神宮球場のヤクルト戦を観戦するというカープずくしの連休だった。金曜日と土曜日は案の定、絢音ちゃんが神宮球場に来ていた。しかし俺はレフトスタンドで応援、絢音ちゃんは一塁側内野席で応援していたので、行き帰りしか会うことはなかったが。そして帰り道、絢音ちゃんは「なんで一塁側も真っ赤なのよ・・・」とボヤいていたのも書き足しておく。特に土曜日の試合はカープの圧勝だったので、絢音ちゃんは帰り道で泣きじゃくっていた。




そしてゴールデンウィーク最終日、日曜日の神宮球場。この日俺は一塁側内野席に陣取っていた。昨日も一昨日もそうだったけど、一塁側にも関わらずカープファンが多いこと。そして、絢音ちゃんが隣の席に陣取っていたのだ。




「なんであんたが隣の席にいるのよ・・・ここヤクルト応援席だよ?」




試合前、カープの打撃練習中、絢音ちゃんは席に着いたばかりの俺にこう言ってきた。悪かったな。ライトスタンドじゃねぇから少しは我慢しろ。そんなこんなで俺と絢音ちゃんはそれぞれ球場内の売店で買ってきた夕食を食べ始めた。俺はソースカツ丼を、絢音ちゃんは焼きそばを食す。




そして午後6時、試合開始。スワローズ先発は石川。そしてカープ先発は九里。試合は1点を争う好ゲームだった。カープは4回にバティスタの2ランで先制すると、先発・九里は7回1失点の好投で、9回裏2アウトまで迎えた。カープ勝利まであと1人。


・・・しかし、ここでヤクルト・大引が同点ホームランを放ち、試合は延長に突入した。そして延長10回、カープはバティスタのタイムリーで勝ち越し。今度こそカープ勝利・・・かと思われたが、2死から川端にタイムリーを打たれ、またしても同点になった。そしてカープは延長11回、坂口にタイムリーを打たれサヨナラ負け。非常に悔しい敗戦となった。三塁側・レフトスタンドが溜め息に漏れる一方、ライトスタンドは狂喜乱舞の東京音頭。大量の傘が舞う。




試合後、俺が悔し涙で帰る一方、絢音ちゃんは興奮した状態で帰路に着いた。




「カープに勝ち越し♪カープに勝ち越し♪一塁側に座ったカープファン、ざまあみろ(笑)」




絢音ちゃんは応援用の傘を振り回し、とても上機嫌だ。ここまで機嫌のいい絢音ちゃんは見たことがない。




「・・・絢音ちゃんがそこまで熱狂的なファンだとは思わなかったよ」




俺は絢音ちゃんに愚痴をこぼす。すると絢音ちゃんは、




「うん。物心つく前からずっと神宮に通い続けてるからね」




と言ってきた。確かに熱狂的かもしれない。俺も物心つく前から、広島市民球場やマツダスタジアムに毎日のように通い続けていたからな。気持ちはすごくわかる。親父もお袋も妹2人も家族全員熱狂的なカープファンだ。




そして、俺は絢音ちゃんの笑顔を見て、不覚にも可愛いなと思ったのは言うまでもない。

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