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野球と彼女  作者: 青獅子
3/8

大学生活

俺は大学進学と同時に叔父さんの家に下宿し始めた。下宿先は千駄ヶ谷(せんだがや)の3LDKのマンション。同居人は叔父さん夫婦の他に、俺と同い年の従姉妹である美波と美咲の4人だ。俺は1人部屋だが、美波と美咲は相部屋。そして俺の部屋にはテレビがあるが、2人の部屋にはテレビがない。あと、俺の部屋は元々、叔父さんの書斎だったそうだ。




「太一くん、まだ寝てるの?美波(みなみ)美咲(みさき)はもう大学行ったわよ」




俺は叔母さんの声で目が覚めた。今日の講義は2限からだから油断してた。そして時計を見ると朝の10時を過ぎていた。時間がない。昨日も深夜まで起きてたからな・・・そんな訳で俺は大慌てで朝食を食べるとすぐ、家を出た。ちなみに美波と美咲というのは俺と同い年で、同じ大学に通う双子の姉妹であり、俺の従姉妹でもある。ただし俺は経済学部で2人は文学部だから、大学内で会うことはほとんどないけど。講義で使う棟も違うし。




下宿先からキャンパスまでは電車で10分ほど。俺は大急ぎでキャンパスに向かった。何とか2限には間に合った。そして講義が終了し、大学近くのファーストフード店で昼食を食べる際、俺は美波と美咲にでく会わした。どうやら2人だけだ。せっかくなので、俺は2人と同じテーブルに移動した。




「太一、今日寝坊したんでしょ?」




こう俺に話すのは、双子の姉である沖山美波(おきやまみなみ)。俺は「夜中まで起きてたからな」と美波に言った。すると双子の妹である沖山美咲(おきやまみさき)が、




「どうせいつものごとくゲームとかしてたんでしょ?」




と言ってきた。そうだよ。しかしこの双子、一卵性ということもあってか、身長・体・髪型・声・性格まで何もかもが一緒だ。俺ですらたまに間違えることがある。大学進学の際、美波は眼鏡をかけるようになって、美咲は茶髪に染めたのでやっと区別がつくようになったが。




そして食事が終わると、2人とは別れた。午後からまた講義だ。とはいえ、みんな大学に入学したばかりなので、この日の講義は教授や学生の自己紹介だけで終わったが。




夕方、講義が終わった俺はバイト先に向かった。バイト先は千駄ヶ谷(せんだがや)駅前の喫茶店だ。美波と美咲も同じ店でバイトをしている。夕方から夜になると、俺と同じく学校が終わった学生や仕事帰りのサラリーマンやOLがかなり来る。東京なら尚更だ。そして・・・




「いらっしゃいませ〜、あっ・・・」




高校の制服を着た絢音ちゃんがお客さんとしてやって来た。1人で来ている。絢音ちゃんはパンケーキと紅茶を注文した。俺は注文を取り、その後厨房で作ったを商品を絢音ちゃんに渡す。そして俺は食事中の絢音ちゃんをただ、ひたすら観察する。絢音ちゃんはスマホを取り出して写真を撮っていた。可愛い。そして絢音ちゃんはケーキを食べ始めた。そして食事中、絢音ちゃんが一瞬、俺の方を見てきた。絢音ちゃんは俺を見ては何か笑っていた。そして厨房にいる美波とレジにいる美咲もなんか俺の方を見てきた。




食事を終えた絢音ちゃんは美咲が立っているレジで代金を支払い、店を去った。そしてバイトが終わり、俺は3人でマンションに向かう。




「そういえば太一、さっきの制服着てパンケーキ注文してた女の子とは知り合いなの?」




美咲が俺にこう言ってきた。俺は「ん?まあ、そうだけど」と言ってきた。美波も「もしかして彼女?」と言ってきた。しかし俺は「違うって!」と反論する。すると美波は、




「昔っから恋愛に奥手の太一が簡単に彼女できるわけないからね〜」




と言ってきた。そして美咲も、




「まあ、どうしても彼女ができないのなら私やお姉ちゃんが立候補するけどね。従姉妹だから結婚もできるし」




と言ってきた。俺は、




「ありがとう。でも二股はちょっと・・・」




と2人に言い、そのまま下宿先であるマンションに戻った。




4月ももう下旬だ。いよいよゴールデンウィークに突入する。連休中は広島に戻って、マツダスタジアムでカープ戦計6試合を観戦するつもりだ。実家に戻れるし、可愛い妹にも会える。そしてカープは連休最終盤に神宮球場で試合があるため、俺は一足早く東京に戻る。理由は言うまでもなくヤクルト3連戦を観戦するため。俺は東京に戻る新幹線で「絢音ちゃんに会えるかな・・・」と車中、思った。

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