第2章 【最強邪神でもニートにはなりたくない!】
『邪神の仕事編』です。
ショゴスさんの厚意で屋敷に入れてもらってから7時間後。
ボクは大浴場の姿見の前で停止していた。
「ハ、ハハ………能力説明を受けてる時から薄々気づいてたさ……APP18………。」
鏡に映ったボクの姿は見慣れたものではなくなっていた。
サラリと伸びた銀髪に黄金色の瞳。異様な美しさを放つ色白な肌………。
確かに、絶世の美少女だと思うだろう。………自分でなければ。
「と、とりあえずお風呂に入ろう。……そのうち慣れる、たぶん………。」
大浴場に入り、身体を洗う。
「ふうぅぅぅぅ~………。」
ショゴスさんの大浴場………凄く気持ち良い。
「………ヤバイ、長風呂はダメだ。」
早々に洗い終え、大浴場を出た……。
「…お、どうだった?僕の大浴場。」
「凄く気持ち良かったです!」
廊下でショゴスさんが待っていた。
「それじゃ、少し話したいことがあるんだ。」
「?」
「アリス。君、働いてみる気はないかい?」
「えっと、何をすれば良いんですか?」
ショゴスさんが紙を手渡してくる。
「……………職業リスト?」
「嗚呼、好きな仕事を選ぶと良い。」
「………!!……ありがとうございます!」
職業リストに目を落とす。
1,信仰対象 2,召喚契約型邪神 3,破壊神 4,理の支配者
「………………。」
仕事って『神様の』なんだね……。
「僕的には召喚契約型邪神が楽だと思うよ~。」
「そうします………。」
無難…………なのだろうか……。
「じゃ、判子押してくるから。そこの部屋で待ってて。」
ショゴスさんに言われた部屋に入り、待つ。
「……………なんかこの部屋、ボクの自室にそっくりなんだけど……。」
「オッケー、判子押してきたよ~!」
ショゴスさんの方を見る。
「今日からここがアリスの部屋だよ。」
「間取りが前世と同じなのは配慮として受け取ればいいのでしょうか……。」
「うん!」
配慮だった……。
「で、仕事ってどうすれば良いんですか?」
「ひたすら喚ばれるのを待つか、街に出て様子を見るか……だね。」
「街に行きます。」
「オッケー!」
ショゴスさんと一緒に屋敷を出る。
そういえば……ショゴスさんと話してもあんまり怖くないな……。
そんなことを考えつつ、街へ向かった……。
街は以外とお洒落なヨーロッパ風だった。
「ここが共用住民街『アルマ』だよ。」
「は、はは……はははいっ!」
「えっ!?どうしたの!?」
「いいいいいえ、ちょちょちょちょっと人多いのににに苦手で……っ!」
「うわお、凄いテンパり。」
ショゴスさんの影に隠れながら、街を歩く。
「さて、アリス。しばらくは見て回るけど、行きたい所とかない?」
「えっと……じゃあ、広場みたいな所ないですか……?」
「あるけど?」
「ちょっと休みたいです。」
ショゴスさんが呆れ顔をしつつ、『ミ=ゴ広場』に案内してくれた。
「ふぅ……。」
「ハハ、アリス対人恐怖症?」
ベンチに座り、休んでいると……。
「おい、テメェ……ショゴスか!?」
「ゲ!?……古の者………。」
「ゲ!?っとはご挨拶だな!!仕事サボりまくりやがって!!」
「うぅ……これには訳が………。」
「言い訳無用!!」
古の者が触手を振り上げる!
「や、やめてください!!」
ショゴスさんを庇うように間に立つ。
「テメェ、こいつの仲間か!?」
「い、いきなり暴力はダメでしょう!!」
「んだと!?じゃあ、テメェがこいつのサボりの分を払ってくれんのか!?」
「う……は、払いますよ!!何をすれば良いんですか!」
「……チッ………ショゴス連れて着いてこい。」
ボクは古の者に着いていった………。
古の者か、エルダーシングか、どっちで呼ぼうか………。