オトモダチ作戦
校内説明が終わり教室に戻ってきた。
穂乃果と聖は帰り途中にどっちが私の隣りに座るかで揉めていた。
止めに入るのがもう面倒くさいのでほったらかしにしている。
「こちらの席に座ってもよろしくて?」
ニッコリ笑いその席にいる人を見つめる。
「あっ!はいっ!どうぞ!!あっ、ちがう、よろしいですわよ?」
慣れない言葉に慌てる桜たんかわゆ。おっと本音が出てしまった。
「ありがとうございます。ふふっ、無理に話し方変えなくても大丈夫ですわよ。」
つい、頭を撫でたくなったがぐっとこらえて笑顔で答えた。
「お名前は桐生桜様でよろしかったかしら?よかったらお友達にならない?」
ふっふっふ、これでお友達になったぞ~と言う内心は心の奥底にしまって
「えっ?いいんですか?」
そんな言葉とはうらはらに目はキラキラと輝いていた。
「ええ、もちろんですわ。わたくしは、神宮寺沙耶花と申します。お好きなように呼んでください。」
そう言うと少しうーんと悩みだした桜。
「じゃあ、さやちゃんなんてどうでしょう?」
桜のその言葉にクラスにいた全員がグワッとこちらを向きその顔は強張っていた。
「ええ、もちr「ちょっと、桐生さんこちらへいらして?少しお話ししたいことが。」・・・」
クラスの女子が問答無用に桜を引きずっていった。
わたしの快諾の声はかき消されてしまった。そしてまだ凍った空気のクラス。
「沙耶花様?あの方はまだこの学園に慣れていないので」
理恵が私にそう言って困ったように笑った。
「??そうですわね。わたくしたちが色々教えてさしあげないといけませんわね。」
私のその言葉にサーっと青くなる理恵。
「いや、ほらっ、俺らがちゃんとフォローするから今日は勘弁してやってくれ。」
大輔が焦ったようにそう言った。
「??」
私とクラスの人達の話が咬みあわない中、引きずられて行った桜が返ってきた。
「ごめんなさい!!」
急に桜たんに謝罪されて大混乱です。
「なぜ謝られているのかさっぱり分からないのですが、、。」
私は困惑した表情で謝ってきた桜を見つめる。
「えっと、私、神宮寺様が「さやちゃんって呼んでくださらないの?」・・・え?」
桜とクラスみんなポカンと私を見つめる。
「え??」
同時にその顔に私もポカンとする。
「お前らそれ以上、沙耶花を混乱させるな。沙耶花がそいつにあだ名で呼んでいいって言ってるんだからそれでいいんだよ。」
喧嘩が終了したのか、聖がそう言って私の前へ来た。その言葉で今までのクラスの行動に合点がいった。
「わたくし気軽にあだ名などで呼んでくださってよろしいのよ?わたくしは様付けで呼ぶのが癖になっているだけで、そんな事で怒ったりしませんわ。それに、わたくしは桜様のお友達ですもの。」
チラッと聖の背中から顔を出しニコっと笑ってそう言った。
その仕草を直視したクラスの人はグハッと可愛さにやられたのであった。
「いいの?」
首を傾げて言う桜に私は縦に首を振った。
「しょうがないですわね。沙耶花様の親友2番手にしてあげますわ。因みにわたくしは沙耶花様の大親友である西沢穂乃果ですわ。」
私の横で少し上からえっへんと自己紹介する穂乃果。
「ほんどですか?嬉しいな~。ほのちゃんって呼んでもいいですか?」
桜はキラキラした目で穂乃果を見つめる。
穂乃果も桜の可愛さには敵わなかったみたいだ。
「ぐっ、かわ、、コホン!特別に許可いたしますわ。」
何か言い出そうとしていたが穂乃果はグッと堪えてそう言ったのであった。
「やった!じゃあ、ほのちゃんともお友達になれますかね?」
桜はもう一歩、穂乃果に近づきキラッキラした目を近づけた。
「っ!!沙耶花様の次でいいのでしたらかまいませんわよ。」
いつも強気な穂乃果が圧倒されていた。
そんなこんなで主人公と思われる桜たんとお友達になれました!
「さっきは、ゴメンな。キレてると勘違いしていた。」
授業中、隣に座る大輔がそう言って小さい声で話しかけてきた。
「かまいませんわよ。」
ふふっと笑いかけた。
「俺と初めて話した時もさやか沙耶花どっちで呼ぶか選択せまられたもんな。」
苦笑し話す大輔。
「お陰でこんなに仲良くなれましたわよね。」
クスっと笑う私を見てお互い笑いあった。
まぁ、授業終了後はそれを見ていた聖と穂乃果に問い詰められていた大輔を見ながら
桜たんとたくさん談笑できて私は大満足です。




